戸籍改名

戸籍の読み方だけの変更が厳重化!?フリガナの改名は要注意

読み方の変更手続き

名前を変える場合、定められた改名の手続きを行えば、戸籍の名前の漢字や読み方を変えられます。

改名は名前の読み方(フリガナ)だけを変更する場合と、それ以外(漢字だけを変更、漢字をひらがなに変更)で、改名の難易度や手続き方法が大きく異なります。

私は名前の漢字も読み方も改名しましたが、「漢字はそのままでいいから読み方だけを変えたい」という方もいますよね。

ここでは、読み方だけを改名したい方に向けて、戸籍の名前の読み方の変更方法について解説します。

一般的に名前の読み方だけの変更は、役所でのみの手続きなので、漢字だけを変える改名よりも簡単といわれますが、そうとはいえない現状もあるのです。

しかも、今後は今のように読み方だけの変更も簡単にできなくなる可能性もあります。

名前の読み方を改名した後の手続きには注意点もあるので、ぜひ参考にしてください。

戸籍の読み方だけの変更の難易度も高くなる?

今のところ名前の読み方だけの変更は、戸籍の改名の手続きと比べればかなり簡単です。

しかし、戸籍の名前の読み方について、2020年に以下のようなニュースがありました。

上川陽子法相は17日の記者会見で、戸籍の氏名に読み仮名を登録するかどうかを検討するため、2020年度中に法務省に研究会を設置することを表明
戸籍の氏名に読み仮名登録検討 日本経済新聞

さらに直近(2021年9月)だと、

 上川陽子法相は7日の記者会見で、戸籍の氏名に読み仮名を付ける戸籍法や省令の改正について、16日に開催予定の法制審議会(法相の諮問機関)総会に諮問する方針を表明
氏名の読み仮名戸籍に記載法 制審諮問へ―上川法相談:時事ドットコム

現在は戸籍に読み方(読み仮名)の記載が必須事項ではないですが、読み仮名の法制化に向けて本格始動しました。

コロナの給付金の手続きなどで本人確認に苦戦したといった背景があり、個人特定ができるようにするためです。

2023年の通常国会に関連法案提出を目指し、2024年に施工できるよう法制化を進める方針を固めています。

読み仮名の法制化等の検討

これにより、将来的に改名のように許可の難易度がグッと高くなるかもしれません。

読み方だけの変更も戸籍の改名と同じように、家庭裁判所の許可が必要になるということみたいなので。

実は今でも名前の読み方について、法務省から「名前をあり得ない読み方にしてはいけない」という通達があります。

読み方の変更は役所ででき、許可するか否かの判断は役所に委ねられていますが、どんな名前でも読み方が変更できるということではないのです。

漢字を改名せずに読み方だけを変更したくても、通達によって漢字本来の読み方から逸脱していたり、当て字のように読めない名前への読み方の変更は難しいです。

将来的には読み方だけの変更も戸籍の改名と同じように難しくなるでしょう。

漢字の改名と読み方だけの変更の手続き

漢字変更と読み方変更の難易度や手続き方法の違いについて解説します。

改名には大まかに、

「漢字を変える改名」
「読み方だけ(フリガナ)を変更する改名」

このの2種類あります。

どちらも名前を変えるので改名となりますが、法律的にみると改名の手続きに該当するのは実は戸籍の漢字を変更する場合だけです。

なので、前述でしたように戸籍の法律による縛りがない読み方だけの変更は改名よりも簡単なのです。

改名の手続きと読み方を変更する手続きは、手続きの方法も手続きする場所が異なります。

改名は家庭裁判所と役所で手続きをし、読み方だけの変更の手続きは役所で行います。

手続き方法が異なるため、名前の漢字を改名するのか、名前のフリガナを変える読み方だけの変更では手続きの難易度が変わります。

漢字の改名は裁判所の許可が必要

名前の漢字を変える改名手続きは、家庭裁判所の許可が必要です。

  • 漢字だけを変更したい
  • 読み方と漢字を変えたい
  • ひらがなから漢字の名前に変更
  • 漢字からひらがなの名前に変更

これらに該当する場合は、裁判所で手続きを進めます。

改名というと、名前の漢字も読み方も変更するのを思い浮かべますが、漢字だけを変更したり、ひらがなから漢字の名前に変更するなども改名に当たります。

名前の文字を一文字でも変える場合は改名となります。

漢字を変える改名は、家庭裁判所から許可をもらうために、戸籍法に定められている改名の許可条件を満たさなければいけません。

改名の許可条件と基準
改名の許可条件とその判断基準とは?判例で徹底解説!改名するためには家庭裁判所の許可条件を満たす必要があります。 ここでは日本の家庭裁判所が改名を許可する条件の詳細や、改名が許可され...

漢字の改名は条件を満たして、裁判所から許可をもらわないといけないので、名前の読み方を変更する手続きよりも難易度が高いのです。

改名の難易度自体は、漢字だけを変えたりひらがなに変更したりと、どの方法もそこまで差はありません。

改名する理由(申し立て理由)によって、改名の許可が難しいかどうかが変わります。

名前の読み方だけの変更以外の改名は、裁判所が許可する改名の条件があるので、しっかり準備をして裁判所へ改名を申し立てましょう。

先に役所で名前の読み方だけを変更した後で、漢字だけの改名を申し立てて変更することも可能です。

フリガナだけの変更は役所で可能

名前の読み方の変更は、今のところ簡単な手続きで済みます。

法律上、戸籍に読み方(フリガナ)を記載する義務がないため、役所だけで変更の手続きができます。

出生届には名前のフリガナの記入欄があり、漢字だけでなく読み方を含めて住民登録して管理していますが、戸籍にはフリガナが記載されていない状態です。

お住まいの地域によって記載しているところもありますが、役所の便宜上、フリガナを記載してあるという程度。

名前の読み方の変更は本人からすると改名ですが、役所での手続き上は「フリガナ登録の訂正・修正」の意味が強く、簡単に役所で名前の読み方を変更できるのです。

読み方の変更手続きは、改名のように裁判所の許可が不要ですし、役所から名前のフリガナの変更許可を得るという必要性もありません。

後述している注意点もあるのですが、名前の読み方の変更は市区町村の役所で手続きを行うだけです。

役所での読み方・フリガナの変更手続き

  • 卓(たかし) → 卓(たく)
  • 裕子(ひろこ) → 裕子(ゆうこ)

このような名前の読み方の変更は、「名前の読み間違いが頻発して不便」「読みやすくしたい」などの理由から、役所で登録されているフリガナの変更手続きを行います。

実際に役所でどのような手続きを行うのでしょう。

名前の読み方・フリガナの変更手続き方法について解説します。

役所の戸籍課で読み方を変更する

名前の読み方の変更手続きの場所は、現住所を管轄している市区町村の役所です。

部署は役所によって部署名が変わりますが、戸籍課や戸籍住民課などが担当しています。

読み方の変更手続きの流れは、役所に用意されている名前の変更届を提出するだけです。

改名ではないため、裁判所の許可や裁判所での手続きが不要なので、読み方の変更手続きは役所で即日で完了します。

読み方の変更手続きの必要書類と持ち物

  • 変更届(役所)
  • 申出人(窓口に行く人)の本人確認
  • 申出人(窓口に行く人)の印鑑
  • 代理人が申請する場合は委任状

※委任状は役所のホームページからダウンロードできます

名前の読み方変更手続きは本人、または世帯主や代理人が可能です。

変更届は役所に置いてあるので、あらかじめ用意しておくものは、本人確認・印鑑くらいです。

役所によって手続き方法が変わる

役所の窓口で「名前の読み方を変更したい」「登録されているフリガナを変えたい」と伝えても、「読み方だけの変更は手続きがいらない」と言われることがあるようです。

最初にお伝えしたように、名前の読み方は、戸籍に記載が義務付けられていたり法的な縛りがないため、許可を得る必要がなく読み方の変更手続きは法的に見れば不要です。

ですが、読み仮名を書いて出生届を出します。

役所によって住民票の写しにフリガナ(読み仮名)を載せている自治体があったり、役所が管理しているデータベースではフリガナ(読み仮名)が登録されているので、名前の読み方を変更するなら変更手続きが必要です。

変更方法は届け出を提出するだけですが、役所によって所定の用紙が用意されていたり、電話一本で終わるところもあり、手続き方法が役所によって異なります。

役所のどこの部署(課)で手続きをすればいいのかわからない場合は、役所の総合窓口課や総合案内(案内係)に尋ねましょう。

役所での読み方・フリガナの変更の注意点

改名とは違って役所で名前の読み方の変更手続きが簡単に行えるお伝えしましたが、実はフリガナの変更は厄介な面もあります。

名前のフリガナが変更できない役所がある

近年、役所で読み方(フリガナ登録の変更)の変更手続きや変更届を整備している役所が多く、名前の読み方の変更自体は役所で簡単にできます。

ですが、これはお住まいの地域(管轄の役所)によって対応が変わり、名前の読み方の変更ができない役所もあるので注意しましょう。

名前の読み方の変更は基本的に応じてもらえますが、それぞれの役所や担当者によって「できません」と言われることもあります。

(当サイトのお問い合わせから実際にそのような相談がありました)

たとえ役所が読み方の変更に応じなかったとしても、法律上、戸籍に名前の読み方(フリガナ)を登録する規定がないため、役所が拒否しても違法とはなりません。

通称名の使用の許可も各機関の判断ですが、名前の読み方の変更も各役所の判断に委ねられているのが実情です。

必ずしも「読み方の変更は簡単にできる!」とは言い切れないのです。

役所で読み方・フリガナの変更を拒否されたら?

「どうしても読み方だけを変更したい!」
「役所に断られて困っている・・」

という方は、弁護士や司法書士などの専門家へ一度相談されるといいかもしれません。

弁護士に依頼したからといって、役所が読み方の変更を許可するわけではないですが、悩んで何もできないくらいなら相談されるのがいいと思います。

(「弁護士に依頼したけど読み方の変更ができなかった」という方もいました)

また、独自の判断で役所から「変更したい読み方の名前で生活している公的な証拠」を要求されることがあります。

役所とスムーズに読み方の変更を交渉するために、証拠を作っておくといいでしょう。

パスポートの読み方の変更は注意!

役所で名前の読み方を変更すると、改名と同様に名前が登録されているものは変更しなければいけません。

病院など、名前と読み方も登録して保管してるのがほとんどです。

名前の読み方の変更に伴う名義変更手続きについて、パスポートの読み方の変更は注意が必要です。

パスポートの読み方変更はできない

日本では戸籍にフリガナの記載はありませんが、パスポートにはフリガナをローマ字で登録します。

パスポートのローマ字表記(名前の読み方)は、ローマ字を変えてしまうと別人になってしまうため、原則、フリガナの変更ができません。

ですが、パスポートで登録されているフリガナの変更は、名前の読み方を変えたことができる証明があれば、登録されているフリガナを訂正することができる場合もあります。

名前の読み方が証明できるものとして、通称名の使用実績のように郵便物やポイントカードなどでは不十分です。

公的な書類(住民票・通帳・クレジットカード)が有効なので、それらを持ってパスポートのフリガナ変更を相談してみましょう。

どんな証拠資料が必要のなるのかは断定できませんが、複数必要になることがあるのでパスポートの申請先に問い合わせるのが確実です。

パスポートの読み方を変更すると入国できない?

パスポートのフリガナ(ローマ字表記)を変更した場合、国によって入国がやや面倒になります。

指紋をとられたことがある国に再度入国する際、ローマ字化された名前のフリガナ表記が違うためその説明が必要になります。

下手すれば、パスポートのフリガナを変更することで、入国できないということにもなりかねません。

航空券やホテルの予約がパスポートの名前のフリガナと一致していれば、読み方を変更しなくても渡航できるようです。

ただ、渡航中のトラブルがあるとかなり面倒なので、早めにパスポートのフリガナの変更手続きを終えましょう。

パスポートの読み方変更の費用

パスポートの有効期限が1年以下と短い場合は、切替申請を行いましょう。

パスポートの有効期限が長い場合は、記載事項変更の方が費用が安く済みます。

パスポートの切替申請が必要な場合

  • パスポートの残存有効期間が1年以下
  • パスポートの査証欄が少なくなった
  • ・査証ページを増やす(40ページ)ことも可能
    ・手数料は2,500円

  • パスポートを損傷した
  • ICパスポートでないパスポートからICパスポートへ切替える
  • パスポートの氏名や本籍の都道府県名が変更した

パスポートの切替申請の費用と必要書類

  • 5年の手数料11,000年
  • 10年の手数料16,000円
  • 一般旅券発給申請書
  • 戸籍抄本または戸籍謄本
  • 6か月以内に発行されたもの
  • パスポート用の写真
    (縦45×横35の6か月以内に撮影したもの)
  • 住民票
  • ・住民基本台帳ネットワークシステムの利用で原則不要
    ・氏名を変更した場合は必要

パスポートの記載事項変更の費用と必要書類

  • 手数料6,000円
  • 一般旅券発給申請書(記載事項変更)
  • 戸籍抄本または戸籍謄本
  • 6か月以内に発行されたもの
  • パスポート用の写真
  • 縦45×横35の6か月以内に撮影したもの

  • 住民票
  • ・住民基本台帳ネットワークシステムの利用で原則不要
    ・氏名を変更した場合は必要

住民票が必要となる場合

  • 住所や氏名の変更がある
  • 居所申請が必要な場合
  • 住民登録がない場合は居所申請が必要
    (単身赴任や通学などで現住所以外に住民登録があるなど)
  • 住民基本台帳ネットワークシステムの利用しない

また、名前の読み方を変更したり、漢字を改名してもパスポートの記載事項変更申請が不要なケースもあります。

パスポートの記載事項変更申請が不要な場合

  • 同じ都道府県内で転籍した
  • 改名したがローマ字表記(フリガナ)が変わらない
    例:大野(ONO)→小野(ONO)
  • 現住所のみ変更があった場合
    自分でパスポートの所持人記入欄の現住所を二重線で訂正し新住所を記入する

先に銀行通帳やクレジットカードのフリガナを変更しておこう

名前の読み方が変わったら、新しい名前で処理される入金や出金ができなくなるため、銀行口座・通帳・クレジットカードに登録されているフリガナは、早急に変更手続きを行いましょう。

そのうえで、銀行通帳やクレジットカードは、パスポートの名前の読み方を変更する際に必要になる「名前の読み方の証明ができる資料」となる場合があるので、先に登録されているフリガナを変更しておくといいです。

クレジットカードは郵送やネットで読み方の変更手続きができます。

通帳の読み方変更に必要なもの

  • 本人確認書類
  • 銀行印
  • キャッシュカード
  • 名前のフリガナが変わったことを証明するもの
    (住民票・パスポートなどの公的な書類)

銀行通帳やクレジットカード以外にも、名前の読み方を変更したら、名前が登録されているものはすべて変更手続きを行ってくださいね。

免許証や保険証などフリガナが記載されていなくても、各機関で名前の漢字とフリガナで記録し保管されているので手続きが必要です。

読み方変更と漢字の改名のまとめ

名前の読み方だけの変更は役所での簡易手続きで変更ができます。

ただ、役所で読み方の変更ができない場合もあるので、普段から希望の読み方の名前で生活している証拠を作って、登録されているフリガナの変更について粘り強く交渉してみましょう。

もし、読み方だけでなく漢字も変えるなら、裁判所へ申し立てる準備を行ってくださいね。

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