改名の申立て後に行われる、面談の手続きをスムーズに行うコツをまとめました。
実際に私が面談で審議官(裁判官・書記官)から聞かれた内容を紹介しながら解説しています。
通常、改名の申立てが受理されると、ほとんどの方が家庭裁判所で面談(面接)があります。
この面談がうまくいけば改名が許可されます。
面談で改名がで許可されるためには、意識すべき点や要注意な人の特徴もあります。
裁判所での面談は、改名を許可するか否かの事前審査です。
面談ではどのようなことを聞かれるのでしょう。
また、改名の面談にどのような服装で行くのがいいのかも気になるところだと思います。
ここでは、面談での服装や、改名が許可されるために自身の経験談や注意点などをまとめました。
改名の面談の手続きと持ち物
裁判所での改名の面談は呼び出しと言われることもありますが、正式には「審問」といいます。
審問とは、改名の申立人や代理人が家庭裁判所へ行き、裁判所の担当者から聞き取りを行う手続きのことです。
面談の手続きは、裁判官や書記官(参与員)が行い、聞き取りが書記官だけの時もあれば裁判官と書記官の時もあります。
判断が難しくなる場合は裁判官が面談を行うことがあり、私の改名の面談では書記官だけでした。
裁判所での面談の持ち物は、事前に家庭裁判所から郵送される「審問期日通知書」に記載されています。
急遽、面談日に裁判所に行けないという事態になったら、審問期日通知書に書かれている担当書記官や家庭裁判所に電話で連絡しましょう。
改名の面談の持ち物
- 審問期日通知書(自宅に郵送される)
- 免許証などの本人確認ができるもの
- シャチハタ以外の印鑑
あとは改名の申し立ての時に、裁判所から他の改名の証拠資料の提出を求められていたり、追加で証拠として提出したい資料がある場合は、改名の証拠も持参しましょう。
裁判所の改名の面談で聞かれる内容とは?
基本的に裁判所での面談は、申し立て内容について改めて質問される形です。
改名の面談で聞かれる内容
- 改名の理由・改名に至る経緯
- 証拠などの資料の確認
- 改名の影響や家族の同意の有無
- 名前の由来
- 借金の有無
実際に私が裁判所の面談で聞かれた内容です。
この内容は、どんな改名理由でも裁判所の面談でだいたい聞かれるようですね。
他にも、個別の事情によって面談で聞かれる内容が変わります。
たとえば、性同一性障害による改名の面談なら「治療状況や今後の方針(戸籍変更)」、DVや虐待による改名の面談なら「どのような被害があるのか」「今の生活状況」など、事情に合わせた質問が面談であります。
1.改名の理由や至った経緯
改名の理由や改名に至る経緯については申立書にも書きますが、裁判所の面談で必ず聞かれることです。
面談で何を聞かれてもしっかり答えられる準備をしましょう。
私が裁判所で受けた面談ではそこまで細かく改名理由について聞かれず、「名前で苦労したこと」「どんな支障があるのか」という部分を再確認された程度でした。
申立書に細かく書いていたことも影響したのかもしれません。
面談では積極的に改名の必要性を訴え、戸籍の名前を使用することで周囲が混乱することや、名前による支障が明白であることなどを口頭でアピールしました。
2.証拠などの資料の確認
証拠を作った際の状況や提出した証拠資料の確認があります。
淡々と証拠資料の説明をすれば問題ありません。
3.改名の影響
名前を改名しても周囲に影響がないか、通称名の通用度合い、家族は改名に同意しているのかということも裁判所の面談で聞かれます。
たとえば、通称名がどれだけの範囲でどこまで通用しているのか、周囲の反応や状況について確認されます。
私は裁判所の面談で、身内、友達、職場などでの通称名の馴染み具合や、私の名前(通称名)は両親が命名をしたことで改名に対して全面的に協力的なことも同時に伝えました。
とにかく、広い範囲で積極的に通称名を使用して、社会的に根深く通称名が浸透していること、改名をして新たな名前で生活を始めても周囲が混乱することはないことをアピールしました!
通称名の使用実績が少ない人もいると思いますが、ネガティブな発言は印象を悪くするだけなので、いかに通称名を使ったか、ご自身の努力や積極性を伝えましょう。
私は通称名の使用実績を証拠資料の一つとして裁判所に提出しており、徹底的に通称名を使用してきたので、改名しても悪影響がないとと判断されました。
4.同意者の有無
改名するにあたって家族の同意について口頭で確認されました。
改名について家族や周囲はどう思っているのかを先に伝えていたので、「周囲の反対はないですね?」程度の確認だけで、改めて深く聞かれることはなかったです。
5.名前の由来や意味
「改名する新たな名前にはどういった意味が込められているのか」ということも、裁判所の面談で聞かれる可能性があります。
面談で、名前の意味やその名前を希望する理由を伝えられるようにしておきましょう。
私の場合は申立書に名前の由来や命名の経緯を書いていたので、面談では深い話はしませんでした。
6.借金の有無
借金や保証人逃れの可能性があるので、トラブル回避のために私が申し立てた家庭裁判所では改名の面談で全員に聞いているそうです。
ここまで書いた5つの内容が面談で話をした内容です。
私はこのような面談の内容で改名が認められましたが、同じような理由で面談を受けて却下される人もいるので、担当の書記官や裁判官は寛容な方だったのかもしれません。
改名は裁判所の裁量で判断が分かれるので、面談の担当者(裁判官や書記官)によって同じ理由で申し立てても結果変わります。
裁判所で改名の面談での服装
裁判所での面談はどんな服装がいいのでしょう。
特に服装の指定はないですが、見た目の印象を良くすることも大切です。
服装にも気を使いましょう。
面談の服装は清潔感を重視
面談の服装は裁判所ということもあり、「スーツでなければダメ!」と感じてしまいますが、そこまで堅苦しいものではありません。
見た目で判決が下されるわけではないですが、だらしない服装の人と清潔感のある服装の人では相手に与える印象が全く違いますよね。
面談の服装はスーツ以外のカジュアルな服装でも大丈夫ですが、TシャツやジャージのようなあまりにもTHE 私服は控えましょう。
裁判所での服装は、公共の場を考慮した常識的な服装であれば問題ありません。
社会人ならスーツを着たり、ジャケットを羽織るといいでしょう。
私はスーツと迷いましたが、ボタンシャツを着てジャケット+スラックスの服装で裁判所へ行きました。
女性の場合は、派手な服装、華美なアクセサリー、香水、バッチリメイクなどには気を付けてくださいね。
また、携帯電話の電源は切っておくのもお忘れなく!
学生の服装は制服
未成年の学生の場合は、制服を着たり制服がない場合は襟付きのシャツやジャケットを羽織るといいでしょう。
スーツを着る必要はないですが、きっちり決めたい方は面談の服装をスーツにしても特に問題はありません。
見た目に気を使うとなると服装もオシャレにしたいところですが、あくまでも改名の面談は清潔感を重視しましょう。
裁判所の面談で改名が許可されるコツ
服装も裁判所の面談で改名が許可されるコツの一つかもしれません。
服装以外に面談で意識するべきコツや注意点があります。
改名の許可は面談までの過程が重要
改名理由にもよりますが、有利な証拠集め宇あ申立書の作成をして、効果的に改名を申し立てをするという面談までの過程が重要なので、常識的な服装と振る舞いをすれば、特別、注意することはないと感じました。
裁判所で行われる改名の面談は、申立書に書いた改名の理由や証拠書類を元に質疑応答をします。
なので、正直、面談でのコツというのはないのですが、あくまでも、申立書に書いた内容を見ながら進めるので、書いた内容を頭に入れて冷静に論理的に受け答えをすれば問題ありません。
焦らず感情的にならないように対応することを心がけましょう。
裁判所が許可しない要注意な人の特徴
改名の申し立て時に「今回は許可が厳しいかもしれません」と言われたら注意が必要です。
裁判所に許可されるためには、「厳しい」「難しい」と言われた方は、面談でのアピール(頑張り)が必要です。
申立書に書いた改名理由がうまく伝わっていない、もしくは許可の判断が難しいということなので、改名する理由が主観的と受け取られないように客観的にしっかり伝えることが重要です。
もし、緊張してちゃんと回答できるか不安なら、伝えたいことをメモして、それを面談に持参するのもいいと思います。
もし、申し立ての手続きで「改名の許可が難しい」と言われていても、悲観することはありません。
申し立ての手続きで「改名の許可が難しい」と判断された場合は、そもそも申し立て自体が受理されません。
たとえ「改名の許可が難しい」と裁判所から言われても、改名の申し立てが受理されて面談にこぎつけたということは、改名が許可される可能性もあるということですから。
面談は改名を許可するかどうかの事前審査ですが、改名の必要性をアピールする絶好の場所です。
あなたの意思を積極的に伝えて、いかに理解してもらうかが大切です。
客観的にあなたの状況や改名の必要性が伝われば、裁判所から許可される可能性が十分あります。
裁判所の面談の内容や服装のまとめ
裁判所での面談の内容は特別な内容はありません。
基本的に申立書に書く内容について聞かれるだけです。
裁判所から改名が許可されるために、面談での服装や対応には注意してくださいね。