許可のコツ

改名を許可する条件とは?認められた裁判所の判例で解説

改名の許可条件と判例

改名の条件は二つあります。

それが年齢と許可されるための条件です。

一つ目の年齢に関する条件ですが、改名は何歳からでもできるものです。

ですが、自分一人で手続きをしたい場合、満15歳以上であることが条件です。

二つ目の改名の条件は、「正当な事由」があることです。

これは家庭裁判所が改名を許可する条件です。

どんな理由なら「正当な事由」として認められるのかはとても曖昧で、許可の条件がわかりづらく感じますよね。

ここでは日本の家庭裁判所が改名を許可する条件の詳細や、改名が許可された判例をまとめています。

どのような改名の理由なら家庭裁判所が許可するのか、実際に申し立てで多い理由なども詳しく解説します。

改名が認められた例として、過去の裁判所の改名の判例をもとに、改名の理由にそった許可の条件やどのように判断されるのかの基準について徹底解説しています。

これから改名をしたいあなたの参考してくださいね。

また、海外に在住の日本人の改名ができる条件についても触れていますので、海外住まいの方も参考になると思います。

日本は改名の許可の条件が厳しい?

日本で戸籍の名前を変えるのは難しいと言われますが、改名は許可される条件を満たせば誰でもできるものです。

許可される確率も意外と低くなく家庭裁判所のデータからもよくわかります。

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実際に私も改名した一人ですが、特殊な改名理由で申し立てをしたということはなく許可されましたから。

改名するために家庭裁判所の許可が必要ですが、その条件は類稀なる一部の人間にしかできないような許可の条件ではなく、決して厳しいものではありません。

許可の判断は各家庭裁判所により異なるのでそこが難しい部分なのですが、特別な事情がなくても誰もが改名できる条件となっています。

裁判所で改名が許可される条件は8つ

改名が認められる条件について、法律上の基準で「正当な事由」と定められています。

正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得てその旨を届け出なければならない
家事事件手続法別表第1の122
戸籍法第107条の2(名の変更)

改名を許可する条件は「正当な事由」たったのこれだけ!

正当な事由とは、日常生活で戸籍名による重大な弊害や悪影響があることを指します。

改名の条件である「正当な事由」に該当する改名の理由であれば許可されるということです。

具体的に許可される改名の条件に当てはまる理由は何があるのでしょう。

一般的な家庭裁判所が認める「正当な事由」の条件として、8つの改名の理由があります。

「許可される条件に該当する改名理由の例」

  1. 奇妙な名である
  2. むずかしくて正確に読まれない
  3. 同姓同名者がいて不便である
  4. 異性とまぎらわしい
  5. 外国人とまぎらわしい
  6. 神官・僧侶となった(やめた)
  7. 通称として永年使用した
  8. その他

8つの条件をパッと見た感じだと、具体的な改名理由が少しわかりづらいかもしれませんね。

どんな事情があると改名の条件に該当するのでしょう。

改名が許可される条件の基準

1~8まで改名の条件がありますが、それぞれの条件には判断基準があります。

具体的にどのような状況や名前が条件に該当するのか見ていきましょう。

改名の条件(1・2・4・5)と判例

  • 1.奇妙な名であるの条件
  • →いじめや差別を助長するような珍奇な名前

  • 2.むずかしくて正確に読まれないの条件
  • →他人から誤読、誤称、誤記されることが多い名前

  • 4.異性とまぎらわしいの条件
  • →性別の区別がつかない名前

  • 5.外国人とまぎらわしいの条件
  • →国籍を誤認する名前

それぞれの条件に細かな基準がありますが、おおまかにこのようになります。

これらの改名が許可される条件に該当するのは、わかりやすいものだとキラキラネームがあります。

2019年に本名「王子様」というキラキラネームを改名した男性が話題になりましたね。

難読や珍奇(キラキラネーム)を理由にした改名の条件は、社会的地位を脅かすような明らかな不都合があることです。

昔はキラキラネームという言葉はなかったですが、珍奇な名前は昔も今もあり改名が許可された判例があります。

・キラキラネームで認められた判例

  • 珍奇な名前の判例.五八を変更
  • 低俗を感じさせる+本人の職業(教員)を考慮

    仙台高裁/昭和28.4.22

  • 難読な名前の判例.州璋(くにあき)を変更(難解で誤解が多発)
  • 大阪高裁/昭和25.30.10.31

改名の条件(3)と判例

  • 同姓同名者がいて不便である
  • →同居家族と同姓同名になった

結婚で親族に同じ名前が複数いる、同居家族と同姓同名になったなどが「同姓同名」の条件に該当します。

また、名前が完全に一致していなくても、読み方が同じだったり、似た名前が職場や近隣にいるといった場合も条件に当てはまることがあります。

  • 近隣の同姓同名の判例.判例.近隣に同姓同名(幸枝)の者Aが居住していた。Aは約1か月違いで出生し同じ幼稚園に入園している。
  • 東京高裁昭和48.412

  • 家族で同姓同名の判例.妻と姑の名の読み方が同じであった
  • 広島高裁岡山支部昭和46.2.1

改名の条件(6)と判例

  • 神官・僧侶となった(やめた)
  • →宗教上で改名が必要になった

神宮・僧侶(出家)になるという改名が宗教上必要な場合に「神宮・僧侶となった(やめた)」の条件に該当します。

僧侶になった場合は認められやすく、神職や僧侶をやめた場合も当てはまります。

  • 僧侶の判例.僧侶になる意思は強く今後も僧侶の道を進むであろうことが推認される
  • 高松高裁決定平成9年10月15日(家月50巻3号42頁)

改名の条件(7)と判例

  • 通称として永年使用した
  • →長年使用している通称名がある

長年的(永年)に使用している通称名を、正式な名前に変えたい場合に「通称として永年使用した」の条件に該当します。

姓名判断での改名を希望する場合、判例にありますが通称名を長期的に使用することで改名できる可能性があります。

この条件は、改名する理由の定番ですね。

通称名というのは、戸籍の名前とは違うもう一つの名前(セカンドネーム)で、芸名やペンネームも含まれます。

・通称名が認められた判例

  • 通称名の判例.小学生在学当時から就職(高卒)に至るまで、通称名を約7年間使用していた
  • 名古屋高裁昭和28年

  • 難読な通称名を使用した判例.「歳霽」を通称名として約20年にわたり使用していた
  • 長崎家裁佐世保支部昭和37.11.6

  • 通称名を永年(約16年)にわたって使用した(姓名判断)
  • 仙台高等裁判所平成2年2月19日

改名の条件(8)と判例

  • その他
  • →精神的苦痛・性同一性障害・襲名

上記の7つ以外の理由がある場合に「その他」の条件に該当します。

許可されやすいのは虐待や性同一性障害がありますが、抱えている事情によります。

認知度が高くなった性同一性障害、戸籍の名前登録が誤字になっていたり、帰化して日本風の名前に変更したものの、帰化前の名前に変更したいという理由も可能です。

  • 精神的苦痛の判例.本名の使用が幼少時に受けた性的虐待を想起させ精神的苦痛を与える
  • 氏および氏名の変更を許可
    大阪家裁/平成9.4.1

日本で改名が許可される条件を満たすコツ

裁判所が改名を許可するかどうか判断するための主な基準は3つあります。

  • 改名が必要な理由の立証(証拠)
  • 改名の必要性(正当性があるかどうか)
  • 改名による社会的な影響の度合い

改名が許可されるためには8つの条件に該当し、上記の3つの基準をクリアすれば許可される確率が高いです。

しかし、あなたの改名したい理由が、裁判所が改名を許可する8つの条件に該当したり、過去の判例と同じ状況でも必ず許可されるわけではありません。

改名が許可される条件を満たして許可されるためには「どのように改名を申し立てたのか」で、裁判所の判断が許可にも不許可にもなるということをしっかり頭に入れておきましょう。

許可の判断は各家庭裁判所の裁量が大きく影響するので、確実に改名が許可される理由や方法はないのですが、許可の条件を満たしやすくする方法はあります。

私の印象として、これまで改名のサポートを100名近く行ってきましたが、とくに申立書の書き方はかなりポイントになると感じています。

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外国に住んでいる日本人(国籍)の改名の条件

最後に稀かもしれませんが、国内ではなく外国に在住している日本人が改名できる条件についてもご紹介します。

日本在住の方は下記の条件は関係ないですが、海外住まいの方は参考にしてくださいね。

海外在住の日本人

日本国籍で海外に住んでいる日本人の改名が許可される条件は、日本に住んでいる日本国籍を持つ日本人と同じです。

8つの条件に該当すれば、改名することができます。

改名の手続きも家庭裁判所に申し立てて許可を得るという手続き方法も同じですが、申し立てる家庭裁判所がどこになるのかを調べておく必要があります。

日本に住んでいた経験がある海外在住の日本人と、日本に住んだことがない海外在住の日本人とでは異なるので注意してください。

住んでいる海外で改名することもできる

上記は海外に住んでいる日本人が日本で改名する場合の条件です。

なので、海外に住んでいてその国で改名するとなると条件は変わります。

例えば、住んでいる国の永住権があれば、その国に帰化すれば改名できる可能性があります。

日本では改名の条件が厳しいですが、海外だと安易に改名できる国もあるようです。

外国人の改名はできない

ここで書いている改名の条件は、あくまでも日本人の改名です。

日本の家庭裁判所で改名ができるのは、日本国籍を持つ方のみ。

外国籍の場合は、日本で帰化申請を行って家庭裁判所へ申請するか、役所で通称名の登録→名前変更の手続きを行うことで改名できます。

裁判所が改名を許可する条件と判例のまとめ

改名は安易ではないですが、条件を満たせば名前を変えることができます。

許可される条件は意外と幅広く、決して厳しいものではありません。

ただし、一度却下されてしまうと再申し立てのハードルが高くなります。

一度目で許可されるよう、あなたの改名理由が許可される条件に該当するのか、しっかり把握してから申し立てましょう。

改名が認められる理由や許可された判例について大まかに紹介しましたが、該当する改名理由がわりと多いので、「改名の条件に当てはまらない」という心配はほぼないことが理解できるかと思います。

改名が認められた判例を見ても、姓名判断、キラキラネーム、精神的苦痛とわりと幅広く認められているのがよくわかりますね。

あなたの改名理由が条件に入るのか、許可される傾向や基準を参考に手続きを検討してくださいね。

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