数年前から「毒親」「アダルトチルドレン」という言葉が、メディアを中心に使われるようになりました。
文字通り、毒にしかならないような親を指す言葉で、アダルトチルドレン(AC)は「機能不全家族で育った人」のことです。
虐待や暴力などのDVや過干渉などいろんな毒親のタイプがあります。
DVには暴力のような肉体的DVだけでなく、精神的DV(人格否定・暴言・脅迫・暴言・無視など)も含まれます。
毒親を持つ子供が心身ともに苦しい生活を強いられていることも珍しくなく、生きづらさを感じる方も多いはず。
実は私も幼少期は良い家庭環境とはいえない家庭でした。
毒親がいるだけで、「人生を支配される感覚」を受け、自分の意見がまったく通らず、いつの間にか親中心の生活になることもありますよね。
毒親の状況に周りが気づかず、痛ましい事件にまで発展したケースもあることから、かなり深刻な問題であるのは間違いないでしょう。
毒親に対してできる対策といえば、逃げることくらいですが、効果的な方法のひとつに本名を改名して親元から離れることがあげられます。
毒親の支配から解放されるために、戸籍の本名の改名という選択肢があるのです。
戸籍の本名を改名してDVや虐待を行ってきた毒親と縁を切りたい!という方もいるでしょう。
ここでは、毒親が理由で本名の改名が許可された事例や、戸籍の名前の改名のメリットについてお伝えしていきます。
毒親の支配で今現在苦しんでいるのであれば、ぜひ参考にしてくださいね。
虐待や毒親を理由に改名した事例
毒親のタイプや家庭事情はさまざまあります。
「毒親の影響や家庭事情」
- 毒親から暴力などのDVや虐待を受けている
- 毒親が原因で精神疾患を患っている
- 毒親から逃れたい(絶縁するために改名したい)
虐待やDVなど毒親を持つ方がどのような理由で戸籍の名前を改名するのでしょう。
ほんの一例ですが、戸籍を改名するまで毒親に悩まされ続けた3つのケースと、虐待による改名の判例をご紹介します。
毎日のように言葉の暴力に悩まされ続けるAさん
小学校でいじめられていることを母に報告した日から、言葉の暴力が始まった。
最初は私がいかに「無価値な子ども」であるかを1時間以上も説かれ、挙句の果てに生きているだけで人を不愉快にさせていると言われる始末。
なにもかもがイヤになって改名をした後から、大嫌いな母と顔を合わせなくて済むようになったので、本当にこの手続きがあって良かったです。
人生は親を中心に回っていると教えられてきたBさん
物心ついたときから、私の人生は親のためにあると教わり続けてきました。
善悪の判断、友達選び、休日の過ごし方もすべて父に決められてきたのです。
父の目を盗んで自由に行動できる日はほとんどなくて、何のために生きているのかがわからなくなるばかり。
なんとかして自分主導の人生を送りたいのがホンネなので、改名を検討中です。
激しいDVで心を病んでしまったCさん
食べ物をこぼしたら母に殴られる。物を床に落とせば父に蹴られる。
こんな毎日が「自分にとっての普通」になった日から、生きることに希望がもてなくて。
そこで改名手続きを知り、DVを受けている事実を伝えて新しい名前を手に入れました。
改姓は特にしませんでしたが、私の姓はどこにでもあるものなので、まだ1度も両親にバレていません。
毒親を理由に改名が許可されるためには?
戸籍の改名はどんな理由や家庭事情があっても、家庭裁判所から改名の許可をもらうためは「正当な事由=生活上、著しい支障があること」が必要です。
- 名前によってどのような支障があるのか
- 改名による社会的影響が少ないこと
- 改名理由の証拠(虐待がわかる資料や診断書など)
あくまでも戸籍の名前の改名は、「名前によってどれだけ生活の中で重大な悪影響が出ているのか」ということが許可の基準です。
本名の改名を機に毒親と縁を切りたいという方もいるかと思いますが、そのような理由だけではなかなか認められません。
他にも「毒親が命名した名前が嫌い」という理由も同様です。
毒親を理由に戸籍の改名を許可してもらうためには、裁判所に虐待や暴力など毒親によってあなたがどのような被害や影響を受けているのか、ということをしっかり説明しましょう。
そのうえで証拠も重要です。
まずはどのような理由なら改名が許可されるのか、条件を確認しておきましょう。
本名の改名手続きは未成年でも可能
ここまで毒親を理由にした本名の改名方法について解説しました。
実際に毒親から逃れるために戸籍の名前を改名した事例を見て、虐待や暴力を加える毒親を理由に改名できる、ということがわかりましたよね。
「自分も名前を改名しよう」と考えた時に気になるのが、何歳から戸籍の改名ができるのかということです。
名前を改名できる年齢や手続き方法を見ていきましょう。
本名の改名は未成年でも可能
本名の改名手続きは何歳からでもでき、未成年でも手続きができます。
あなたが15歳以上であれば親の許可なしで、自分だけ改名することができます。
毒親に内緒で自分で勝手に戸籍の名前を改名できます。
中学生以下だと親の許可が必要なので、毒親にバレずに改名するなら15歳以上になってらです。
弁護士や司法書士などの専門家に依頼する
本名の戸籍の改名手続きは未成年でも簡単なものばかりです。
私は一人ですべての改名手続きを行って戸籍の名前の改名が許可されましたが、担当者が親身に教えてくれるので難しいことはなかったです。
改名は条件を満たせば許可されるので、知識があればあなた一人で改名することができます。
ですが、家庭裁判所は簡単に改名を許可することはないですし、大人でも不慣れな場所なので緊張することもあると思います。
とくに未成年だと改名に対する不安は大きいかもしれません。
そんな時は弁護士や司法書士などの専門家に依頼する方法もあります。
正直、費用はかなり高いのですが、実績のある専門家なら手続きもスムーズです。
弁護士などの専門家へ依頼することも検討してみてください。
本名の改名で毒親から解放されよう!
毒親を理由に本名を変更した例からもわかりますが、改名は毒親から解放され、自分の人生が手に入ります。
単に毒親から逃げるだけの方法ではありません。
・改名の効果
- 改名後は毒親と物理的に距離を置ける(身の安全を確保できる)
- トラウマを解消できる
- 新たな人生を歩める
毒親はあなたの最も身近な家族であり、住居を共にする存在ですよね。
そして、同じ屋根の下でアナタを否定・批判し続ける人物とも言い換えられます。
改名することで、このようにつきまとう「負の存在」と距離を取ることができます。
また、改名することで、毒親が名付けた忌々しい名前から逃れることができ、過去のトラウマや心の負担も軽減されます。
名前は毒親に足かせをハメられたようなものであり、仮に家からあなたが逃げ出したとしても、追跡されるリスクが残ります。
本名の名前を変えることで、毒親から追跡されるリスクも減り、身の安全が確保できます。
このように毒親で悩んでいるなら、戸籍の名前の改名は有効な解決方法となるでしょう。
本名が変われば毒親からの呪縛は解け、新天地で新しい戸籍の名前で生活を始めてしまえば、個人の力で追跡することは難しく自由が手に入ります。
その自由こそが新しい人生の始まりであり、毒親と決別し明るい未来への開放になるはずです。
毒親が理由で本名を改名するためにしっかり申し立ての準備を行いましょう。
毒親を気にせず改名していい
毒親に人生を支配され続ける毎日は「幸せ」ではありません。
人格に問題のある親御さんのもとで我慢を重ねた方たちは生きる希望をもてなくなってしまいます。
・毒親への悩み
- 本当は希望をもちたいのに
- 誰にも言っていないけど、叶えたい夢があるのに
- こんな毒親とは無縁の幸せな家庭を築きたいのに
こうしてあなたが心のうちに抱いている希望の種を、毒親に奪わせないでください。
毒親やDVなどの理由で戸籍の名前を改名した方は悩みを解消し新たな人生を歩んでいます。
ですが、戸籍の名前を変えることに対して、もしかしたらあなたは改名に対して罪の意識を感じているかもしれませんね。
その考え自体は立派ですが、自分の身に危機が訪れている状態では重荷にしかなりません。
あなたが優先するべきは、あなたの安心と安全です。
そのための本名の改名であり、「自分なんかが戸籍の名前を改名していいの?」と考えるのは意味がありません。
明るい未来を迎えるためにも、選択肢のひとつに「本名の改名」を真剣に考えるべきです。
もし、何かお悩みがあるなら「お問い合わせ(無料相談)」からご相談ください。
どんなに些細なお悩み事も誠実に対応します。
戸籍の改名以外に毒親から逃げる方法はある?
毒親から逃げる方法は本名の戸籍改名以外にもいくつかあります。
「毒親から逃げる方法」
- 引っ越し先や職場は地元避けてる
- 家を出たら毒親との連絡手段を断つ
- 本名を変更して改名する
- 支援措置や転籍手続きを行う
引っ越しや連絡先を断つ
「毒親から逃げたい」と考えた時に、まずは家を出ることが優先されます。
家を出る際に引っ越し先を遠方にしたり、職場を変えたり、毒親からの連絡を絶つことで毒親と離れることができます。
しかし、引っ越しをしても毒親に住所がバレてしまうリスクが常にあり、実際に家を出ても毒親から執拗に追い回されて被害を受けている方は多いです。
圏外に引っ越しても数時間の距離なら平気で毒親はやってきます・・
家を出ただけでは毒親から完全に逃げることができません。
戸籍の名前を変更して改名する
住所バレのリスクを軽減して、毒親から命を守って逃げる方法として、戸籍の名前を変更する改名は有効な手段の一つです。
人によって、毒親の迫害で必要に迫られて本名を改名する方もいます。
戸籍の名前の改名で完全に毒親と縁を切れるわけではないですが、本名を変えることで毒親からの接触を限りなく減らすことができます。
戸籍の名前を変える改名だけでなく、姓(氏)を変える改姓も可能です。
後述していますが、毒親の虐待が理由で本名(フルネーム)の改名を許可した判例もあります。
支援措置や転籍も有効
毒親から逃げるためには戸籍の名前を変える改名だけでなく、住所がバレないように「支援措置」や「転籍」といった手続きも有効です。
本名を改名しても戸籍に改名の記録が残ってしまいます。
「支援措置」や「分籍・転籍」は戸籍の改名記録をわかりにくくしたり、戸籍や住民票から現住所を毒親に知られないようにするのに有効です。
支援措置は暴力などのDVや虐待を受けている場合に可能な手続きで、分籍は20歳を超えていれば誰でも可能です。
分籍手続きだけでも転籍できますが、分籍後は自由に転籍できます。
- 支援措置
- 分籍
- 転籍
住民票などの住所がわかる公文書の閲覧制限や交付の制限をかける手続き
独身の場合は親の戸籍に入っており、親と自分の戸籍を分ける手続き
(分籍と同時に転籍する)
本籍地を変更する手続き
どの手続きも大きなデメリットはありません。
虐待やDVをする毒親から逃げる「ローリスクハイリターン」な方法と言えます。
分籍は戸籍を分けるだけですが、戸籍には毒親の名前が記載されており、分籍することで戸籍を取得した際に毒親の名前を見なくて済むので精神的苦痛が和らぎます。
また、分籍することで同時に転籍もするため、分籍前(今の戸籍)に改名した記録が記載されないので、分籍前の戸籍を見ただけでは改名の事実がわからなくなります。
毒親の戸籍から抜けて自分だけの戸籍を持てるので気持ちも軽くなるでしょう。
転籍は本籍地を変更するだけですが、改名した名前がばれにくい、住所を辿られにくくするといったメリットがあります。
毒親が理由で戸籍の名前を改名したい場合も参考になるはずですよ。
毒親を理由に改名した事例のまとめ
自分の人生の舵取りを行うのは、毒親ではなくあなた自身です。
そのための解決策として「改名」があるのですから、利用しない手はないでしょう。
改名後には毒親から遠く離れた場所で人生をリスタートさせ、苦しい悩みから自分自身を解き放ってあげてください。