「キラキラネーム」が社会に浸透するようになってからはや十数年。
親が良かれと思って名付けた名前が、キラキラネームやドキュンネームと揶揄される時代です。
良くも悪くもたびたびニュースを賑わすこともあり、悪影響やトラブルが多く社会問題化しています。
当て字とすらいえないものから、ぎりぎりなんとか名前が読めるものまで、「こんなのよく思いつくな」という名前が目立つキラキラネーム。
現代にいたってもキラキラネームのトラブルや各所での悪影響が問題視されており、名前によって深刻な社会問題にまで発展しているケースも報告されています。
キラキラネームが抱える闇は深く、一般的な名前であればそんなことが起きるはずもないだろうと思われることでも、簡単に名前によるトラブルや悪影響を及ぼしてしまいます。
それほどまでに、キラキラネームには多くの問題点があるのです。
ここでは、キラキラネームが抱えるトラブルや名前による悪影響と対処法についてご紹介します。
就活だけじゃない!名前がキラキラネームのトラブルや悪影響
キラキラネームは学生生活や就活などで人生に大きな悪影響を与えることがあります。
私たち日本人は、異常なまでにキラキラネームに過剰に反応する傾向にあり、名前だけで人格までも勝手に判断されがちだからです。
キラキラネームだからといって必ずトラブルに巻き込まれるわけではないですが、性格や人間性までも決めつけられてしまうのはとても悲しく辛いことですよね。
しかし、日本ではまだまだ本当の意味で受け入れ態勢ができていないように感じます。
子供の時点でキラキラネームの悪影響があり、たくさんのハードルを越えていく厳しい人生になる可能性が非常に高いです。
キラキラネームによってどのようなトラブルや悪影響があるのでしょう。
実際に起こっているトラブルや実害についてまとめました。
就活への悪影響
普通の名前なら起こりにくいトラブルが、キラキラネームであるがゆえにトラブルが増えてしまう傾向です。
その一つに就活への悪影響があります。
いくら有名な大学を出ていても、名前のせいで就活がうまくいかないというトラブルが起こっているようです。
就活したくてもキラキラネームの悪影響で、名前がキラキラネームというだけで書類審査の時点で落とされてしまうこともあるようです。
人事担当者が年配の場合はとくにそういう傾向にあり、「名前が読めない・キラキラネームだからきっと使えない」など、名前だけですべてを判断して不採用の判を押されてしまうのです。
こういった就活のトラブルはその後の人生を左右するので、キラキラネームの大きな悪影響といえます。
真面目に過ごしてきた学生の努力が実を結ぶ就活が、名前の影響によって壊されてしまうのはとても耐えられないことだと思います。
緊急時のトラブル
キラキラネームの悪影響は、就活だけではありません。
公共機関で呼び出しに影響が出ることも想像に難くありませんよね。
特にに注意したいのが緊急時への悪影響です。
名前がキラキラネームだと、病院や緊急搬送時などに名前の確認ができないという大きなトラブルがあります。
救急車で緊急搬送されるときに名前が読めない、スムーズに搬送先に患者の名前が伝わらない、こういった名前の悪影響は命にかかわります。
名前が読めないと搬送先に救急車内から電話で名前を伝えるときに、通常では使わないような漢字や読み方をするのでかなり苦労するそうです。
病院内で常識的な漢字や読み方の名前でないと、正しく名前が伝わらずカルテを作り間違えてしまい、医療業務に支障が出るというトラブルが出ています。
このトラブルについて現役医師が「キラキラネームの弊害について」twitterでつぶやいて拡散していましたね。
「人の名前を間違えるな!」とクレームもあるようですが、解読不可能な名前は医療現場の混乱を招き、どうしてもミスのリスクが増えしまいます。
名前の悪影響で医療の現場でトラブルを招きかねないのです。
名前の確認に手間取ると余分に時間を使うので、緊急時は命の危険が高くなります。
震災の時に読めない名前が多くて、安否確認に手間取ったというトラブルもあるようです。
家族への悪影響
キラキラネームは名付け親や家族の評判が悪くなるという悪影響もあります。
仮にキラキラネームをつけられた本人にトラブルや悪影響がなかったとしても、名づけた張本人である両親や家族の評判については悪評になり、予想外のトラブルを招くこともあります。
現代の日本ではキラキラネームは生きていくのに不利であるといわれており、それが社会的にも浸透している状態です。
そんな中、あえてキラキラネームをつけるとは一体どういうことだ?と周りから思われトラブルを招いてしまいます。
さらに、「キラキラネームをつける=両親の育ちが悪い」と判断されてもおかしくはなく、子供も親も世間から白い目で見られる、なんて悪影響も想定されます。
実際に周りの目が辛くてキラキラネームを名付けたことに後悔し、子供の名前を改名する親も珍しくありません。
学生生活での悪影響
名前がキラキラネームの影響で、学生生活でいじめの対象になりやすい部分があります。
学生生活はキラキラネームの最初の難関かもしれませんね。
保育園・幼稚園、小学校低学年くらいまではまだキラキラネームでもそこまで気にせず過ごすことができるかもしれませんが、高学年、中学、高校となると悪影響が徐々に出始めます。
子供は無邪気に残酷なので、深く相手の気持ちを汲み取ることができず、名前をバカにされる可能性もゼロではありません。
イジメへと発展したケースもあり、キラキラネームは決して軽視できないのです。
イジメや精神的苦痛を理由に改名できるくらいなので、キラキラネームの悪影響はかなりあると言えます。
キラキラネームで就活が不利になるのは本当?
キラキラネームという言葉自体は定着してきましたが、どちらかといえば前向きで肯定的な意味で社会に浸透したわけではなく、あまり良い意味で受け取られていません。
前述したように、キラキラネームのトラブルとして就活が不利になることがありますが、この影響についてもう少し掘り下げて現状をご紹介します。
就活が不利になる理由は人事担当者の年代層にもよる
キラキラネームを露骨に毛嫌いするのが中高年の人事担当者です。
この年齢層が就職先の人事担当だと就活が厳しくなる可能性があります。
就職したい会社の面接官によっては明らかにバカにした態度で接してくることもありますし、名前だけで敬遠されることもざらです。
「就活で落とされる理由」
- 名前の読み方がわからない
- 取引先への紹介が恥ずかしい
- キラキラネーム=家庭環境が悪い
名前による偏見だらけですが、こういった考えや悪影響を懸念しているからです。
中高年世代はキラキラネームに対する理解が低く、このように名前だけで性格や人柄までも判断してしまうことがあります。
すべての人事担当がそうとは言い切れませんが、そういう傾向にあるということは紛れもない事実なのです。
中高年に限らずどの年代でも偏見はありますが、社会的にキラキラネームに対するイメージはあまり良くないことも就活への悪影響がある原因です。
キラキラネームが嫌で通称名で就活する方もいると思いますが、履歴書などの書類に書く名前も要注意です。
就活を終えた後もトラブルや悪影響がある可能性も・・
キラキラネームの時点で不採用となる方が多いかもしれませんが、就職先でのトラブルもあるようです。
名前について社会人特有の小ばかにした“いじり”や露骨なパワハラなどもあるようですが、中でも出世の可能性が一般的な名前の同期に比べて難しくなることもあるのです。
会社側はあまり社会的に評判が良くないキラキラネームの課長や部長を、営業などの外回りにだすのはリスキーだと考えるようですね。
キラキラネームは信用性を失くしたり、会社のイメージに直結する可能性が高いということでしょう。
仮に部長の名前がキラキラネームの「山田 光宙(ぴかちゅう)」だとすると、確かにその会社や人物を信用できるかは不安かもしれません・・
会社にとってイメージはとても大きな影響がありますからね。
キラキラネームと就活に関するアンケート結果もある
名前だけでその人の家庭や内面がわかるわけではないですが、奇抜な名前は当事者だけでなく親の常識が疑われ、企業側にあまり良い印象を与えません。
ライフネット生命保険が実施した調査では、就活はキラキラネームよりも古風な名前の方が有利という採用担当者のアンケート結果があるくらいです。
キラキラネームは変わった名前の領域をはるかに越えているものもあるので、就活にかかわらず親の常識や教養が疑われるのもちょっと納得してしまいますね。
ちなみにキラキラネームの悪影響に関する研究は多くあり、データとしてあります。
上記は親の常識に関する興味深いデータや海外のデータをまとめています。
キラキラネームで就職できず不採用となっても違法にならない?
キラキラネームの代表的なトラブルとして就活がありますが、「名前を理由に不採用にして違法にならないの?」と気になった方もいると思います。
名前を自分で名付けたわけではないのに、キラキラネームを理由に就職できずに不採用になることはとても理不尽ですし腹立たしいことですよね。
ですが、過去の判例からキラキラネームを理由に不採用になっても、直ちに違法とはなりにくいのが現状です。
企業者は、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
最高裁判所大法廷 昭和43年(オ)932号 判決
キラキラネームを理由に就職できなくても、どのような人物を採用するのかは基本的に会社側の自由なのです。
これは採用の時点なので、就職した後で不当な扱いを受けた場合は別です。
前述したようにキラキラネームで無事に就活を終えて就職できたとしても、就職先で出世できないなどのトラブルが起きる可能性もあります。
あまりにも差別や不利益を被る状況ならしかるべき対応を取りましょう。
キラキラネームのトラブルや就活への悪影響を防ぐためには?
キラキラネームのトラブルや悪影響は就活以外にもさまざまな実害があります。
ここまでキラキラネームの悪影響についてお伝えしましたが、トラブルを防止する対策はあるのでしょうか。
トラブル対策1.名前を気にしない
精神論は好きではないので根性で乗り切れとは言いませんが、名前を恥じない、堂々とする、こういった気持ちは大切だと思います。
キラキラネームはその人の性格によって就職が不利になったり、トラブルの度合いに差が出ることもあります。
実際に何の問題もなく就活して採用されている方もいますよね。
たとえば、自己紹介で笑われても気にしない、就活なら堂々と自分の名前を名乗る、こういったこともキラキラネームによるトラブルや悪影響を最小限にすることができるはずです。
名前を恥ずかしがることで周りに悪影響を及ぼしたりトラブルを招く可能性があり、周りから余計にからかわれてしまうこともあります。
また、キラキラネームの悪影響で就活が不利になりますが、それをさらに不利にしているのは、あなたの考え方や内面の悪影響もあるかもしれません。
たとえばよくあるのが、書類選考で落とされることも多い中、それでも面接まで勝ち取れたとき、「どうせ名前のせいで・・・」と考えて下を向いてしまう。
その結果、名前がネックになって面接の自己紹介で、ハッキリ話せなかったり、恥ずかしがってオドオドしてしまったり。
この状況が何も就活に悪影響がないとは言い切れません。
あなたが採用担当だった場合、そんな自信なさげな若者を雇用しますか?
あなたに会社を担う未来を見出すことができますか?
本来、人事担当が見ているのは、あなたのキラキラネーム(名前)ではなく、あなたという人間です。
採用したことで会社に利益をもたらす人材であるか、会社の成長とともに羽ばたくことができるか、そういった部分が重要であり、自信も覇気もないような人間は採用されないですよね。
もし、面接までこぎつけることができたのなら、その際は自信を持ってしっかりと前を見据えて挑むようにしましょう。
トラブル対策2.就活までに名前を改名する
キラキラネームでどう生きるのかは自分次第ですが、キラキラネームが辛いなら、トラブルや悪影響を回避するために改名という手段もあります。
「やっぱり名前に自信がもてない・・・」
「こんな名前は嫌だ!」
と思うなら、名前の悪影響を考慮して戸籍の改名を検討してみましょう。
改名は名前の苦痛を完全に取り除くことができる唯一の方法ですからね。
キラキラネームのせいでトラブルがあったり、人よりも嫌な思いをすることは多いでしょう。
改名はそんな悪影響や苦痛から解放され、今までの自分と決別でき、大きな自信を持つことができます。
ただ、名前を変えるためには裁判所の許可が必要なため、誰でもすぐに改名できるわけではありません。
キラキラネームによる就活への悪影響を回避するなら、就活に間に合うように今すぐに行動を起こして改名の準備しましょう。
キラキラネームのトラブルや就活などへの悪影響のまとめ
キラキラネームが抱えるトラブルや悪影響についてお伝えしてきましたが、キラキラネーム自体が悪いわけではありません。
ただ、実際にキラキラネームにはいくつものトラブルやリスクがあることも事実。
名前に関して様々な意見があるのは仕方がないですが、名前による悪影響は大きく「仕方がない」では済まされない、キラキラネームによる深刻な問題が起きているのです。
公共機関で名前が呼べないのは最たる例で、最悪の場合医療トラブルや命にまでかかわる可能性もあります。
キラキラネームの悪影響で就活が不利になるとはいえ、キラキラネームが100%悪いわけではありません。
就活できない理由は他に理由があることも考えられ、キラキラネームを恥じる前に、まずは前を向いて一歩ずつ前進できるように努力していきましょう。
どうしてもキラキラネームの悪影響で人生がうまくいかないと感じているなら、改名という選択肢も頭に入れておきましょう。
名前を変えることは名付けてくれた人の想いを不意にしてしまうので、短絡的な考えで実行することは避けてくださいね。