赤ちゃんの改名理由はさまざまあり、その中には複雑な家庭事情もあるでしょう。
実は子供の改名は早いほど許可されやすく、とくに赤ちゃんの改名は成功しやすい傾向です。
成功しやすい面もあれば、逆に赤ちゃんの改名で不利になる部分もあります。
ここでは赤ちゃんの改名を成功させる方法や、許可される理由をお伝えします。
どんな改名理由なら許可されるのか、赤ちゃんの改名が許可された判例もまとめています。
赤ちゃんの改名に関する内容ですが、改名を成功させる方法は年齢に関係なく通用するので、子供の名前の改名でお悩みの方ならきっと役立ちますよ!
Contents
赤ちゃんの改名が成功しやすい理由
日本(裁判官)は改名に消極的ですが、子供の改名は大人と比べて成功しやすいです。
とくに赤ちゃんは改名が許可されやすい時期です。
子供の改名が成功しやすい理由の一つに、「名前の通用度合い」があります。
子供の年齢にもよりますが、大人よりも社会活動が狭いため、今現在の名前の通用度が低いです。
そのため、戸籍名が変わっても周囲が混乱する可能性が低いと想定されるため、子供の改名は許可されやすくなっています。
0歳の赤ちゃんの改名は成功しやすい
子供といっても、小学生と赤ちゃんの場合では改名成功の難易度が変わります。
園児や小学生などの子供の場合は、すでに社会での集団生活が始まっているので、赤ちゃんよりも戸籍の名前の浸透度合いは広く深いです。
一方、0歳の生後間もない赤ちゃんだと、社会での生活が一切ない状態です。
ある程度の年齢になった子供とは違い、赤ちゃんは戸籍の名前を変更しても社会的な影響はほとんどありません。
こういった理由から、園児や小学生などの子供よりも年齢が0歳の赤ちゃんの改名は成功しやすいと言えます。
もちろん、赤ちゃんの改名理由にもよるので、「赤ちゃんだから」と簡単に改名が許可されるわけではありません。
調べただけでも「子供の改名が却下された」「赤ちゃんの改名が認められなかった」という話はゴロゴロ出てきますし、赤ちゃんの改名に関する相談もいただきます。
あくまでも赤ちゃんは改名が成功しやすいというだけです。
子供や親子で改名したい理由
赤ちゃんの改名理由は親の名付けの後悔が多く、命名トラブルや家庭事情も改名理由でよくあります。
稀ですが、抱えている事情によって赤ちゃんの改名だけでなく、親も同時に改名を希望する場合もあります。
複雑な家庭事情もありますが、どんな改名理由であっても、子供の改名は親が子供の将来を考えての決断です。
子供の改名はどんな理由があるのか具体的に見ていきましょう。
赤ちゃんの名付けに後悔して改名する理由
- 正しく読んでもらえない名前にして後悔
- 漢字の意味を間違えて名付けて後悔(勘違いした)
- 子供の名前がキラキラネームと知り後悔
- 子供の名前を決める時間がなかった
- 姓名判断で画数が悪いことに気付いて後悔
このように、赤ちゃんの名付けで後悔する理由はいろんなパターンがあります。
親も同時に改名する理由
- 名付けのトラブル(片親が独断で命名)
- 家族が犯罪者になった(前科がある)
- 離婚したがDVやストーカー被害を受けている
- 占いや宗教の影響
命名トラブルは赤ちゃんの改名理由で多く、「赤ちゃんの名前が原因で家族関係が悪くなってしまった」などの家庭事情があります。
稀ですが、子供と親が一緒に改名する場合もあります。
信仰している宗教や占いの影響だったり、家族が犯罪者になった、被害者側になった、前科前歴があるなどの改名理由があります。
このような改名理由だと、赤ちゃんだけを改名するのではなく、親と子供が同時に改名したり家族全員が改名することもあります。
許可される赤ちゃんの改名理由
赤ちゃんの改名したい理由や家庭事情をお伝えしましたが、実際に日本の家庭裁判所では、どんな理由なら赤ちゃんの改名が許可されているのでしょう。
赤ちゃんの改名が成功する許可されやすい理由について、改名が認められた判例とともにご紹介します。
成功しやすい赤ちゃんの改名理由
成功しやすい赤ちゃんの改名理由は家庭環境の影響が大きいことです。
赤ちゃんの名前が原因で夫婦関係や家族関係に悪影響が出る、赤ちゃんに悪影響が出るといった家庭事情があれば、改名が成功しやすいです。
- 赤ちゃんの名前が原因で深刻なうつ病になった
- 赤ちゃんの名前が原因で夫婦や家族関係が悪化した
- 子供に愛情を注げない
- 同姓同名が近隣にいて不便
実際にどのような家庭事情や改名理由が許可されているのか、生後間もない赤ちゃんの改名が許可された判例をご紹介します。
赤ちゃんの改名の成功例
赤ちゃんの家庭事情や年齢が考慮されて、改名が許可された判例です。
命名が親権者間で十分協議されず父の独断によりなされ、かつ命名届出後ごく短期日の間に名の変更許可申立をした場合において、変更による社会的影響が極めて少いとして許可した事例
→届出後に短期間で申し立てた場合において名の変更による社会的影響が極めて少ない
鳥取家裁米子支部昭42.2.16
生後間もない乳児の名の変更
→申立を却下した原審判を取消し、名の変更を許可
生後5か月しかたっていない乳児については、その名が社会的に通用しているとも言えず改名しよる社会的影響は少ない差支えがない
東京高裁昭和51.12.8
赤ちゃんの改名は戸籍名の社会的な定着度が重視され、実際に赤ちゃんの年齢を考慮して改名が許可される傾向です。
子供の改名は、赤ちゃんのように年齢が早い方が成功しやすいのがよくわかりますね。
また、誤って別の名前で子供の出生届けを出してしまうケースもありますが、出生届けを取り消すことはできないため、この場合も改名(名の変更の申し立て)が必要です。
稀に訂正できる場合もあるようですが、ほとんどが改名の申し立てを行うことになります。
赤ちゃんの改名を成功させる方法
家庭裁判所で赤ちゃんの改名が許可された判例をみると、赤ちゃんの改名は成功しやすいことや、許可されやすい改名理由が何となく理解できたかと思います。
では、具体的に子供の改名を成功させるためには、どのように改名手続きを進めればいいのでしょう。
赤ちゃんの改名を成功させる方法や注意点があるので解説します。
改名する子供の年齢で成功率が違う
重複しますが、子供の改名は年齢が早ければ早い方がよく、赤ちゃんならなおさらです。
年齢的に改名が成功しやすい時期は、社会生活が始まるまでの0歳から3歳までの期間。
実際に当サイトでは子供の改名相談が比較的多いのですが、3歳未満は許可されている印象です。
もちろん、改名理由によるので、子供の年齢にかかわらず却下されたケースもあります。
「生まれたばかりの赤ちゃんですが、何歳から改名できますか?」
「1歳になる子供の改名は許可されますか?」
という相談をいただくことがありますが、子供の改名は何歳からでもできます。
15歳以上でなければ子供自身が申し立ててなどの手続きができない、というだけです。
15歳以下の子供の改名は、親などの法定代理人が改名の手続きを行います。
不安であれば、子供の改名手続きを弁護士などに依頼することも可能です。
子供の人生の節目を狙う
子供の人生の節目は改名が成功しやすいタイミングです。
(改名を成功させる絶好の機会ですが、節目が考慮されればラッキー程度のもですが)
子供なら、入園、入学・卒業などの節目がいくつもあります。
たとえ子供の年齢が3歳を過ぎていても、節目に合わせて申し立てるといいでしょう。
改名したい理由に合う証拠と期間
赤ちゃんの改名は成功しやすいとはいえ、改名理由の証拠を用意することも重要です。
子供の改名でも証拠がなかったり、通称名の使用期間が短い状態での申し立てだと、これを理由に許可されないこともあります。
子供の改名は、入学や卒業のタイミングで申し立てる傾向がありますが、タイミングのメリットよりも使用期間や証拠の質が優先され、それが不十分だと却下されることがあります。
子供の改名を確実に成功させるためには、申し立て時期や年齢だけでなく改名理由に合う証拠も必要です。
通称を7年使用(7歳児)
小学校において戸籍名を使用したくない
→通称の使用期間はさほど長期にわたるものではない
社会的使用分野も限られている
広島高裁岡山支部/昭和33.10.17
改名が許可されない理由は成功しない
いくら赤ちゃんの改名が許可されやすいと言っても、どんな理由も改名が許可されるわけではありません。
子供の改名が成功しない改名理由もあります。
- 芸能人と同じ名前に改名したい
- 姓名判断で良い名前に変えたい
- 子供の名前で目立ちたい
- 周りに子供の名前と同じ名前の子供がいた
子供の改名を成功させるためには、「もっぱら親の都合」と受け取られる改名理由は許可されませんのでご注意ください。
とくに赤ちゃんの場合は、親の目線で考えがちなので改名理由をよく考えてくださいね。
個人の感情や主観は裁判官に通用しないので、許可されない改名理由での申し立ては控えましょう。
また、子供の改名成功に証拠は重要ですが、改名は条件を満たせば証拠の有無は関係ありません。
改名を成功させるためには、証拠があってもなくても、「いかに改名理由の正当性を訴えられるか」が何よりも重要です。
子供も大人も改名が許可される条件は、改名理由の証拠の有無ではなく、あくまでも「正当な事由」があることですから。
子供の生活に支障が出ていることや、改名がどうしても必要な正当な理由がなければ、許可されることはありません。
通称を2年半使用(2歳児)
本人は出生後周囲から戸籍名で呼ばれたことはない
→改名の動機が宗教的理由である
東京家裁/昭和35.10.30
姓名判断による通称を約6年間使用(小学校に入学したばかり)
→戸籍名を通称に変更しなくても支障がない
福岡高裁/昭和30.4.30
赤ちゃんの改名は成功しにくい不利な面もある
子供の改名は成功しやすく、年齢が若いほど有利ですが、赤ちゃんだからこそ不利な面もあります。
- 証拠集めがあまりできない
- 戸籍の名前による支障の説明が難しい
赤ちゃんの改名で一番不利な面は、戸籍の名前を使う機会が園児や小学生の子供と比較して圧倒的に少ないことです。
赤ちゃんが改名しやすい理由として「名前の通用度合いが低いこと」をお伝えしましたが、これは赤ちゃんの改名が成功しにくい不利な理由にもなるのです。
たとえば、子供の改名の証拠集めの代表的なもに通称名の使用実績があります。
これが赤ちゃんとなると、通称名を社会的に使う場面が極めて少ないため、改名の証拠を用意することができません。
少ないというより無に等しいため、基本的に通称名を使った証拠作りができないので、思うように改名の準備ができないのが難点です。
さらに、名前を使う場面が少ないことで、赤ちゃんの改名理由(戸籍の名前による支障や弊害)の説明が難しいです。
赤ちゃんの改名は基本的に許可されやすいですが、こういった難点もあることも押さえておきましょう。

改名することで子供の将来に悪影響はない
赤ちゃんの改名で改名後の影響は気になる部分だと思いますが、戸籍の名前を変えるので改名による影響がどうしてもあります。
しかし、名前の不都合を解消するための改名なので、子供の名前を改名したところで心配するようなデメリットというのは存在しません。
法律的に改名することで子供が何か不利になるということもありません。
子供に改名の影響があるとすると、
- 戸籍に改名記録が残る
- 改名したことを子供がどう思うのか
この2点だと思います。
戸籍の改名記録をお工夫することはできますが、完全に削除することはできません。
また、改名による子供の将来への影響として、改名の事実を知った子供がどう感じるのか、という心理的な部分です。
改名が成功しやすい赤ちゃんの時期に改名しておくと何かと手続きがスムーズですが、ある程度の年齢になった子供とは改名する状況が少し違います。
赤ちゃんなので改名の意志を確認できず、また、子供が幼い場合も同様です。
全て親の意志と責任で改名することになります。
しかし、子供のために改名をするわけですから、今は赤ちゃんでも子供が大きくなったら堂々と胸を張ってその事実を伝えればいいと思います。
ずいぶん昔に子供の頃に改名した方がいましたが、「覚えてしないし今の名前に慣れているから気にしない」と言っていた記憶があります。
意外とそんなものなのかな?と感じます。
改名は恥ずかしいことでも悪いことでもありませんからね。
赤ちゃんの改名を急いだほうがいい理由
冒頭でお伝えしたように、赤ちゃんのうちなら改名が成功しやすいので、早くするべきです。
また、今は赤ちゃんですが、保育園(幼稚園)に入園したり、小学校に入学すると、子供の名前を公的書類に記入したり、名前を使う機会がぐっと増えます。
子供の将来を考えて混乱を招かないためにも、なるべく早い段階で赤ちゃんのうちに名前を変更してあげる方がいいでしょう。
改名が成功しやすいこの時期(赤ちゃん)を逃さず、とにかく早期に申し立てましょう。
赤ちゃんの改名成功に関するまとめ
親子の改名は複雑な事情もあります。
子供の改名理由は、名付けのトラブルや後悔などが大半です。
将来を見据えて、改名が成功しやすい子供のうちに改名を検討すといいでしょう。
幼い子供(赤ちゃん)の改名は、子供ではなく親目線になりがちです。
いくら子供の為と思っていても、どうしても親の都合を優先して考えてしまう傾向です
感情的にならず、冷静になって子供の改名準備を進めてくださいね。