改名は自分で手続きができ、自力で許可を得ることが可能です。
しかし、自分で改名の手続きが難しくて、弁護士に依頼したい方もいます。
どうやって弁護士を探せばいいのでしょう。
ここでは、弁護士(事務所)探しのコツや選びで後悔しないためのチェックポイント、相談時にやってはいけない注意点などを紹介します。
弁護士だけでなく、行政書士や司法書士にも当てはまると思うので、弁護士以外を検討している人も参考にしてくださいね。
改名に強い弁護士は皆無
改名の許可はいろんな条件があるので、簡単に許可されるものではありません。
少しでも有利に申し立てるなら、改名に強い弁護士に依頼したいですよね。
しかし、現状として、改名を専門にしている弁護士は、ほとんどいないということをお伝えします。
改名に強い弁護士を探す以前に、改名の相談をすること自体が難しいのが実情です。
これは弁護士だけでなく、他の士業も同じ。
行政書士や司法書士も、改名の相談ができるところは少ないです。
ネットで調べると、改名の依頼を受けている弁護士などのサイトがありますが、本当に知識があるとは限りません。
実際に当サイトでもそんな弁護士に依頼して後悔されてる方がいました。
改名の相談を弁護士にするなら、
- 改名に強い弁護士はほぼいない
- 改名の専門家もほぼいない
この2つを前提に、良い弁護士、司法書士、行政書士を探すのがいいでしょう。
弁護士(行政書士・司法書士)の探し方
改名を相談したり依頼するために、弁護士を探す上で大切だと思うポイントが10個あります。
1.相談したい分野を取り扱っているか
弁護士には専門認定制度がなく、眼科や整形科などといった医師のような明確な規定がありません。
依頼件数が多く実績がある、得意部分としているという意味で専門分野とアピールすることはあります。
そういった相談(依頼)したい分野の取り扱いが豊富な弁護士を選ぶのが基本です。
経験が多いと弁護士も慣れているので、手続きなどがスムーズです。
ただ、改名の場合はそれを専門(得意)としている弁護士がほぼいないので、実績ではなく、改名に対応してくれる弁護士を探すのが基本です。
2.返事が早い
混み具合(時期)にもよりますが、遅いよりは早い方がいいです。
実際に依頼したときに対応が遅い可能性があり、そうなると困るのはあなた自身。
対応の早さは重要です。
3.ホームページで判断しない
今はネット検索すれば手軽に探せる時代ですが、お金をかければ誰でも自分のサイトを検索上位に表示することができます。
検索順位のトップに出る弁護士サイトが必ず信頼できるとは限りません。
また、ホームページを持っていない弁護士もいるので、ネット検索だけでなく、タウンページや自分の足で探してみましょう。
4.学歴や経験年数は関係ない
サイトなどで経験年数を明示していないことがあります。
だれでも、新人よりは経験豊富な弁護士に依頼した方が安心な気がしますよね。
経験年数が長ければ経験値も高くなる、という意味では一つの目安にはなりますが、学歴は飾り程度のものです。
華々しい経歴があったり、エリートコースを歩んできたからといって優秀な弁護士とは限りません。
また、経験年数があまりなくても、「新人なので経験は乏しいですが精一杯努めます!」と正直に言ってくれる新人弁護士は信頼に足ると思います。
経験値が少なくてもセンスのある弁護士がいるでしょうし、少なくとも、経歴を隠そうとするより正直に教えてくれる弁護士の方が誠実です。
弁護士の経験年数の調べ方は、日弁連の弁護士検索ページ(日本弁護士連合会)から、調べたい弁護士の名前を入力すると弁護士登録番号がわかります。
登録年月日順に機械的に割り当てられているので、この番号が小さければ経験年数が長い、大きければ経験年数が短いということです。
ただし、弁護士登録番号と弁護士としての経験年数が上記のとおりに反映されない弁護士もいます。
これは、裁判官への転職など何らかの事情により、過去に弁護士登録(弁護士会の退会)を抹消して、再度、弁護士登録をしたケースがあるためです。
その場合は改めて新しい登録番号が割り当てられるので、登録番号だけで見ると新人と同じになっています。
今は過去に弁護士登録を辞めても以前の登録番号を復活できる措置が設けられているようですが、そのような措置を取っていないと登録番号は新しくなります。
5.第一印象が悪い(相性)
あなたの直感や本能は大切!
「なんか合わないな~」
「嫌な感じがする」
何でも良いのであなたが違和感を感じたら止めておいた方がいいかもしれません。
こういう勘って意外と当たりますからね。
他にも
「不潔だな~」
「スーツがシワだらけだな~」
などなど。
一見、弁護士選びに関係ないように思いますが、たとえ弁護士が良い人だとしてもこんな弁護士嫌じゃないですか?
第一印象は「好み」ですが、弁護士と依頼者の関係は解決するまでずっと続くので、苦痛や嫌悪を感じながら付き合うのはしんどいですよ・・
6.説明がわかりやすい
法律用語をバンバン使って説明されても、法律関係の知識があるなら別ですが、素人には全く理解できません。
普通の会話でも初見で、何を話しているのかよくわからない、内容を理解できない、などと感じたらあなたと合っていません。
いくらアドバイスをもらっても、あなたが理解できなければ無意味になってしまいます。
また、説明のわかりやすやだけでなく、会話の波長(考え方や感覚)も大切です。
波長が合わないとしっかりコミュニケーションがとれず、弁護士との良好な人間関係を築けません。
7.具体案を掲示してくれる
あなたの悩みに耳を傾けて、親身になって話を聞いてくれる弁護士は良い弁護士ですが、そこに満足しないように注意して下さい。
話を聞くだけで具体策を出さない弁護士もいます。
それは、相談内容が理解できていないとか、相談内容に関する経験不足や知識不足で今すぐには解決法を提示できないなどが考えられます。
話を聞いた上で弁護士は何をしてくれるのか、こちら(依頼人)は何をすればよいのか、解決法を具体的に掲示してくれる弁護士を選びましょう。
改名の経験がなくても、しっかり調査してどのような方向性で手続きを進めるのか、相談時に提案してくれる弁護士がいいですね。
こちら(依頼人)の話を聞かずに、弁護士が一方的に意見を述べられるのは論外。
弁護士に質問したときの反応も面倒くさがらないか、ちゃんと細かく説明してくれるか、対応を観察しましょう。
8.担当弁護士の確認
弁護士に依頼しても、ほとんど事務員(パラリーガル)が対応する場合があります。
弁護士事務所の方針や規模によりますが、担当弁護士がどこまで携わってくれるのか、最初から最後まで携わってくれるか確認しておきましょう。
9.明朗会計
何にいくらかかるのか、費用明細が不透明なのは怖いですよね。
中には、領収書を渡さなかったり、契約書(委任契約書)を作成しない弁護士もいるようです。
「良くない何らかの事情」があるかもしれっません。
当たり前のことをやらない弁護士もいるので、依頼するのは絶対に止めましょう。
10.早急に依頼を勧誘する
初回の相談時に今すぐにでも依頼を勧める弁護士は注意した方がいいでしょう。
倒産や借金など弁護士が緊急性があると判断したなら早く依頼を勧めることもあるでしょうが、改名の場合は刑事事件などのように一刻を争うものではありません。
不安を煽ったり考える時間を一切与えないで、すぐに決断を迫るような弁護士は要注意です。
弁護士に改名を相談する判断基準
弁護士や行政書士などに改名の相談をするうえで、10のポイントをまとめました。
全ての項目を細かくチェックすることはできないかもしれません。
そこで改名を相談する弁護士を選ぶ基準としてわかりやすい基準があります。
客観的に良い弁護士を選ぶ
弁護士探し自体は簡単ですが、それが改名の分野となれば、改名を受任してくれる弁護士(行政書士・司法書士)を見つけることは困難です。
改名を得意とする弁護士を見つけるのが一番良いですが、改名を専門としていなくても客観的に見て、優秀な弁護士はたくさんいます。
経験値が高い(経験豊富)、饒舌で説明がわかりやすい、研究熱心で努力家、良心的で誠実など、こういった弁護士は誰がみても良い弁護士ですよね。
なので、「良い弁護士(行政書士・司法書士)」を見つける目安として、努力する姿勢がある人は好感が持てます。
たとえ改名分野の実績がなくても、「やる気」「熱意」は、弁護士選びで大切なわかりやすい判断基準の一つです。
また、いくら良い弁護士だとしても、相性が悪かったり、あなたの希望に合わない弁護士に依頼しても意味がありません。
弁護士選びは単に「悪質な弁護士を避ける」「良い弁護士を選ぶ」のではなく、「あなたにとって良い弁護士」を見つけることが重要です。
弁護士の必要性を再確認
忘れてはならないのが、本当に改名の依頼や相談が必要なのか、ということをしっかり考えましょう。
そもそも、改名に特化した弁護士(行政書士・司法書士)を探すこと自体が難しいのが現状です。
となると、たとえ改名を専門としていなくても「弁護士に依頼するメリットがあるのか」そこを基準によく考えて選ぶ必要があります。
改名を積極的に取り扱う弁護士が皆無な現状をみてもわかりますが、改名は離婚やその他の分野と違って、弁護士を頼んでも結果が大して変わらない可能性が高いです。
もちろん一概には言えませんが、当サイトの相談者さんの中には、弁護士に依頼して却下された方がいます。
そして、当サイトへの相談後に申し立てて許可されたケースがあります。
私は弁護士や行政書士ではありませんが、しっかり知識があれば法律家でなくても許可を得ることができるのです。
改名に強い弁護士の探し方のまとめ
改名の場合は、改名に強い弁護士探しの前に相談すら引き受けてくれる弁護士がなかなか見つからない状態です。
すべての項目に完璧に当てはめて弁護士を探すのは無理ですが、あなたが、必要だ、任せたい、信じてみよう、そう感じる弁護士を見つけましょう。
弁護士選びは一番は信頼できる弁護士を見つけることですが、「本当に依頼しなければいけないのか」「あなたにとってメリットがあるのか」をよく考えててくださいね。