許可のコツ

「最新」改名の申立て件数と許可の確率|年代別に総まとめ

改名の件数と許可率

「最新」改名の申立て件数と許可の確率|年代別に総まとめ

日本の家庭裁判所では実際にどれだけ申立て件数があるのか、許可される確率があるのかは気になる部分だと思います。

実は全国の家庭裁判所の改名の申立て件数は公開されています。

しかも、申立ての件数だけでなく、許可の件数、却下の件数などの細かなデータもあるんですよ!

家庭裁判所で扱った過去(2005年~)の改名の申立て件数や却下された件数などをもとに、年代別に改名が許可される確率を算出してみました。

ここでは、毎年、日本ではどれだけの人が改名しているのか、年間の件数や許可される確率と考察をまとめました。

年間の改名の申立て件数と許可される確率

年度別に家庭裁判所のデータをもとに、改名の申立て件数と許可される確率を表にまとめました。

現在公表されている年までのデータなので、随時更新していきます。

年代 既済総数 認容 却下・取り下げ 確率
2005年度 8485 6540 1928 77.1%
2006年度 7719 5864 1847 76.0%
2007年度 7590 5857 1724 77.2%
2008年度 7702 5864 1822 76.1%
2010年度 7313 5398 1902 73.0%
2011年度 6980 5200 1765 74.5%
2012年度 7459 5428 2008 72.8%
2013年度 7061 5092 1937 72.1%
2014年度 6743 4935 1794 73.2%
2015年度 7502 5078 1876 67.7%
2016年度 6384 4654 1709 72.9%
2017年度 6331 4561 1324 72.0%
2018年度 5930 4188 1745 70.6%
2019年度 6470 4510 1909 69.7%
2021年度 6038 4329 1809 71.6%

参照:裁判所司法統計

改名の既済状況(総数、認容件数、却下件数、取り下げ件数)のデータをもとに、許可される確率を表にしています。

却下と取り下げの件数は合算しています。

ここでは2005年からの申立て件数ですが、それ以前のデータは最後の方で少し紹介しています。

家庭裁判所で改名が許可される確率

家庭裁判所での改名の申立て件数や却下の件数をみると、どの年代も許可される確率は平均70%前後です。

過去10年分の平均を見ると、毎年許可される件数(容認件数)が約4700件、取り下げや却下の件数が約1600件あります。

決して改名が許可されるのは超難関というわけではないですが、簡単ともいえません。

改名の申立て件数は約6700件

数字だけを見ると過去10年の家庭裁判所への改名の申立て件数(総数)は、多い年で7000件超えですが、平均で6700件にまとまっています。

改名の申立て件数が6700件って結構多いですよね。

2021年度は6038件ですが、この件数は少なくとも一日15人以上が改名を申立てていることになります。

改名の件数はかなり多いですよね。

データにある改名の件数は、取り下げ・却下・許可・受理の件数だけで、改名を申請したけど受理されていない件数は含みません。

改名は家庭裁判所に申請すら受理されなかったという場合もあるので、不受理を含めると実際の改名の申立て件数(希望者)はもっと多いかもしれません。

申立ての件数や許可の確率は下降気味?

全体的に改名の件数を見て気になったのが、家庭裁判所が許可する確率と申立て件数の減少です。

改名の許可される確率(成功率)について

改名の件数のデータから、許可される確率が2005年度は77.1%、そこからずっと70%前後をキープしていましたが、2015年度は67.7%と大きく低下。

その後も70%前後をウロウロ。

この数字だけを見ると許可率は低くないように思います。

2021年は前の年よりも許可率が上がりました!

ですが、改名許可の確率はその年の許可された件数や却下された件数から算出したものです。

決して1回目の申立てで家庭裁判所から許可される確率ではありません。

1回目の申立てで許可された方もいれば、2回目、3回目でようやく許可された方も混ざっている数字です。

初回の申立てで家庭裁判所が許可する確率は70%よりも低いかもしれません。

改名の申立ての件数について

改名が許可される確率は年代ごとでそこまで大差はないですが、家庭裁判所への申立て件数は増えることなく年々減少傾向です。

2005年の件数は8485件でそこから減ったり増えたりしていますが、2018年は5930件と過去最低の件数です。

その後も大幅に増えることはないようですね。

改名の申立て自体が通らず不受理になる方もいるので、その場合はカウントされません。

家庭裁判所に許可されるかどうかの前に、申立てのハードルが高くなっているということもあるでしょう。

たとえば、改名の申立ての必要書類で定番となっている「通称名の使用実績」を作ることも難しくなっています。

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許可される確率から改名の成功は難しいのか?

日本では改名は難しい部分があるので、決して楽ではありません。

改名が許可される確率だけをみると6割~7割なので、意外と低くないですよね。

ですが、改名が許可される絶対的な基準がそもそもないので、難しいと言わざるをえません。

最終的に家庭裁判所の裁量になるため、あまりこの許可される確率の数字に期待しないほうがいいかも・・と思います。

それに一回目の申立てで許可された確率ではないですしね。

これまでの相談者さんをみても、許可される確率はそれほど高くないです。

ただ、家庭裁判所のデータを見ると、毎年それなりの件数が許可されていることがわかります。

つまり、改名は条件を満たして正しい知識があれば、ちゃんと許可されるということです。

まずは改名が許可される条件をしっかり理解することが大切です。

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ちなみに、韓国では「改名は原則に認めなければならない」という、2005年の最高裁の判決によって、日本とは違い改名の条件がかなり緩くなっています。

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「運が悪いから」といった理由でも許可されており、改名の許可率はほぼ100%。

危うさを感じますが、うらやましい気持ちもありますね。

昭和の改名の申立て件数

少し気になったので、昭和の時代は改名の申立て件数がどれくらいあったのかを調べてみました。

昭和の申立て件数

  • 昭和24年:9276件
  • 昭和30年:10492件
  • 昭和40年:12143件
  • 昭和50年:10410件
  • 昭和60年:9362件

平成の申立て件数

  • 平成7年:8162件
  • 平成17年:8301件
  • 平成25年:7054件
  • 平成26年:6720件
  • 平成27年:7062件
  • 平成28年:6341件
  • 平成29年:6294件
  • 平成30年:5986件

令和の申立て件数

  • 令和元年:6524件
  • 令和2年:6082件

今確認できたデータを見ると、昭和40年頃が最も改名の申立て件数が多いようです。

その後は右肩下がり、平成も令和も改名の申立て件数は1万を下回り、6000件前後と昭和の半分に・・!

この数字は総数なので表でまとめている既済総数(繰越分込み)とは別です。

県別の申立て件数

ついでに令和2年のデータですが、改名の件数が多い県や地域をまとめると、

  1. 東京:973
  2. 大阪:550
  3. 横浜:467 
  4. 名古屋:385
  5. 埼玉:313
  6. 神戸:313
  7. 福岡:274
  8. 千葉:255

このようになっています。

当たり前ですが、やはり都心部が多いですね。

家庭裁判所で改名の申立て件数と許可される確率のまとめ

改名が許可される確率は低いというわけではありません。

しかし、年々、許可される確率が低いこと、そして改名の申立て件数も減っていることは気になります。

今後、今以上に許可が厳しくなる可能性も考えられます。

改名するなら早めに準備したほうがいいでしょう。

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