日本と同じように韓国でも改名ができます。
以前は韓国での改名も難しかったのですが、今は事情が変わっています。
日本よりもはるかに簡単に改名ができ、許可されやすくなっているのです。
誰もが知っているあの有名な芸能人も実は本名を改名しています。
ここでは、韓国での改名事情をまとめています。
改名した韓国の芸能人についてもご紹介ます。
韓国で改名が簡単な理由
韓国でも個人主観が理由の場合、日本の裁判所と同様に改名は却下されました。
しかし2005年の判決を境に韓国での改名が簡単になりました。
計算上、韓国では1日平均30人が改名申請している現状です。
個人の意思が尊重される
韓国では2005年に最高裁が「改名の許可は社会的混乱よりも個人の意思が重視されるべきである」という判決を下しました。
裁判所は決定文で、「姓名(名前)は、人格の主体である個人が、自らを表現する人格の象徴としての意味を持つ」とし、「姓名権は、憲法上の幸福追求権と人格権の内容を成し、自己決定権の対象になるものであるため、(改名許可の可否には)本人の主観的な意思が重視されなければならない」ことを明らかにした。
>>朝鮮日報日本語版
この判決により、「名前が嫌い」「運勢の良い名前にしたい」といった、日本では許可されない理由でも韓国では認めています。
韓国の改名件数と許可率
「朝鮮日報」によると、1990年初頭の韓国の改名許可率は70%でしたが、2005年代以降は90%~94%の許可率!
韓国での改名件数は1990年代から増え、1993年には1万件、2006年には10万件を突破したとのこと。
2019年だけで13万3255件が許可されています。
2021年時点で2009年から2010年の10年間で146万人が改名しています。
これは国民100人のうち3人が名前を変えているということになります。
韓国では改名の件数は1970年代には年間4000件~6000件程度。
今の日本の改名件数と同じような感じですね。
名前の改名だけでなく生年月日も変更できる
日本と違って改名が簡単なのは羨ましい気持ちもありますが、韓国は名前だけでなく”生年月日”も変えることができます。
戸籍の名前を改名して生年月日も変えてしまうと、もはや書類上は別人になれますね。
どうしても犯罪に悪用される不安がありますが大丈夫なんでしょうか・・
それにしても生年月日を変えるって、何だかちょっと不思議な感覚です。
韓国の改名手続き
韓国の改名の手続きや流れは以下のようになります。
韓国の改名の流れ
- 改名の書類作成
- 裁判所に提出
- 改名許可審査
- 決定文受領
- 名前変更
韓国での改名の手続きは、改名の理由を添えて申請書を裁判所に提出します。
申請手続きの際に、今の名前で前科がないことを示す証明書も必要です。
韓国の一部の地方裁判所では 改名に犯罪の意図がないことの証明として、保証人やそのほかの証明書も提出します。
その後、改名の許可の審査があり、約2カ月ほどの期間がかかります。
韓国の改名はこの期間中の調査が重要視されます。
改名の申請者に関する前科の調査や、検察に改名理由の事実確認を要請するようです。
改名許可が下りれば1カ月以内に登録基準地、住所地、現在地に申告します。
これはインターネット(電子家族関係登録システム)で申告することも可能です。
韓国での改名の手続きは、以前は簡単で役所に届けるだけだったようです。
しかし、犯罪者なども簡単に改名できるといった問題があるため、裁判所の許可が必要になりました。
改名後の名前変更の手続きが面倒なこともあり、書類上は改名せず普段は自分が望む名前を使う韓国人も多いです。
韓国での改名代行の費用
韓国では改名申請の代行サービスが増えています。
弁護士や司法書士に依頼して改名の手続きを全て代わりにやってもらうことができます。
費用は1件13万~15万ウォンで、日本円で1万3000円~1万5000円くらい。
日本の10分の1とかそれ以上に安い費用で依頼ができます。
日本だと安くて10万くらい、高くて20万円以上する場合もあります。
韓国の改名理由や事情
韓国の改名理由や事情は日本とあまり変わらない部分もあります。
運勢を理由に改名したり、就職を理由に改名する韓国人が多いです。
運勢が悪い
日本だと姓名判断がありますが、韓国では名前・生年月日・年齢に基づいて運勢を占います。
運勢が悪いと占い師に指摘されることもしばしばあり、運勢を理由に改名する場合、占い師に相談して名前を決めるのがほとんどです。
韓国では就職難のため、運勢や発音の良い名前にして、就活を少しでも有利にしたいという理由があります。
変わった名前
名前自体が変な意味になったり、名前は良くても名字と合わさると変わった名前になるといった理由があります。
名前に変な意味がある
- ハニョ=下女
- ガンド=強盗
- マンウォン=2万ウォン
- サンヨン=人をさげすむ表現
姓と名前で変な意味になる
- パン・グィナム=おなら男
- イム・シンボク=妊娠服
- キム・チグク=キムチスープ
- チェ・マルニョ=最末女(末娘)
- ソン・アジ=子牛
名前と不釣り合い
有名人と同じ名前だったり、韓国で美人の代名詞ファン・シネと同じ名前なのに、見た目が合わないといった理由があります。
歌手と同じ名前という理由から、軍隊に行ったときに歌えと強要されたり非難を受けることもあるようです。
凶悪犯として悪名が知れ渡った
凶悪犯罪を起こしたことを理由にする場合です。
日本では更生を理由に改名することは難しいのでずが、韓国では犯罪が許可される理由となっています。
数回改名していても名前を変えることができ、凶悪犯と同じ名前を理由に改名することもできます。
- カン・ホスン=連続女性殺人犯の名前
- キム・ギルテ=女子中学生拉致・殺人犯
2009年に19人のカン・ホスン、2010年は14人のキム・ギルテという名前から別の名前に改名しています。
他にもチョ・ヒョナ=ナッツリターン事件を起こした元副社長と同じ名前を改名するパターンもあります。
被害を受ける
国際化によって海外で被害を受ける場合です。
- スミ
sue me=私を訴えて - ミンジ
minge=女性器の俗語
他にも自分の名前「パク・ギュ」を在韓米兵に伝えたところ「fuck you」と聞き間違えをして射殺してしまったという事件があるようです。
改名した韓国の有名人
日本で有名な韓国人にチェ・ジウがいます。
チェ・ジウのもともとの本名はチェ・ミヒャンでしたが、本名を芸名と同じチェ・ジウに改名しています。
長年芸名で慣れ親しまれてきたこともあり改名したようですね。
チェ・ジウは韓国の改名で成功したスターの2位に選ばれています。
ちなみに1位はソン・スンホンです。
改名後の名前は、姓名学的にも鋼鉄が海を漂う形象を持つ素晴らしい名前として評価されています。
他にもまだまだいますが、韓国では芸能人だけでなくスポーツ選手も改名する人が多いです。
韓国のプロ野球リーグだけを見ても、改名した選手が70人近くいます。
韓国で拒否される改名理由
韓国では2005年の判決によって基本的に改名が認められますが、許可されない場合もあります。
- 犯罪の隠蔽やその意図がある
- 幼い子供の改名
- 改名後の名前が社会的混乱を招く
犯罪や悪意などの意図あったり、子供が幼い場合は判断できる年齢まで改名を待つことが優先されます。
何回も改名している場合も要注意のようです。
日本だと正当な理由があれば、子供の改名は大人の改名よりも簡単で認められやすいです。
韓国では子供の年齢によって逆に許可されない可能性があるということですね。
韓国の改名は簡単?その事情や手続きのまとめ
韓国では2005年以降、改名ブームが続きました。
今ではブームというより、改名するのが当たり前かもしれないですね。
ただ、犯罪の意図や何回も改名することに対しては、日本と共通して許可されなかったり厳しくなります。
誰もが許可されるわけではなさそうですね。