通称名に改名する注意点!永年使用で許可される証拠やコツ

永年使用による改名

自分で改名する理由で最もポピュラーなのが「永年使用」を理由にしたものです。

 

通称名を長年使用している方は、永年使用で通称名へ改名できる可能性があります。

 

永年使用は裁判所から改名の許可を得やすい面があり、既に永年使用で改名する準備をしている人もいるでしょう。

 

しかし、必ずしも永年使用で改名できるわけではありません。

 

改名が許可されるためには、どんな証拠を作ればいいのかわからないという方も多いでしょう。

 

一体、永年使用とはどんな改名の理由なのか、許可されるための有効な証拠の作り方や改名の注意点などを解説します。

永年使用とは?改名が許可されやすい理由

 

永年使用を理由にした改名は多く、自分で改名する定番の理由となっています。

 

永年使用で改名が許可されやすい理由
  • 改名する理由や動機が幅広い
  • 改名の条件や証拠を満たしやすい

 

改名の永年使用とは?

 

永年使用とは、長い年月をかけて通称名を使用した場合に、改名が許可される理由の一つです。

 

申立書にある「通称を永年使用した」という理由に該当します。

 

「昔から長い期間通称名を使用していて戸籍の名前では不便だ」となれば、「永年使用(通称を永年使用した)」という理由で改名の申立て可能です。

 

改名の理由や動機が幅広い

 

永年使用を理由に通称名へ改名する場合、あまり改名の動機や理由が重視されない傾向です。

 

改名は「正当な事由」がないと許可されません。

 

たとえば、改名したい理由が「姓名判断で戸籍の名前が悪いから」という方がいますが、主観や感情は正当な事由とは認められず却下されてしまいます。

 

これが通称名を永年使用したという理由で改名を申立てた場合、たとえ改名の動機が姓名判断のように却下されてしまう理由でも、申立てが許可される可能性が十分あるのです。

 

永年使用での改名は、永年という長い期間で通称名を使用しているという事実が優先されるからです。

 

実際に永年使用の判例にもありますが、姓名判断を理由に永年使用で申立てて許可されています。

 

改名したい理由に「名前が嫌いだから」という方もいると思いますが、改名の許可される条件である正当な事由に該当する理由がない時は、永年使用で改名するしか戸籍の名前を変更する方法はありません。

 

 

改名の条件や証拠を満たしやすい

 

これは永年使用が許可されやすいハードルの低い理由というわけではなく、許可される条件や必要な証拠がわかりやすいという意味で許可されやすいとしています。

 

「通称を永年使用した」というのは言葉通り、通称名を永年の期間使用することが大きな許可されるための条件です。

 

そして、通称名を永年使用することで、生活の中で名前による支障が出ていれば改名が許可されます。

 

改名に必要な証拠も「通称名の使用実績」が必要ということもわかっています。

 

どんな証拠を作ればいいのかという不安点はあるものの、他の改名の理由と比べて判断しやすいです。

 

永年使用で通称名へ改名が許可される期間やコツ

 

永年使用による改名が許可されるためにできることが何があるのでしょう。

 

改名が許可される目安の期間や許可されるためのコツをご紹介します。

 

1.通称名を使用する期間は長いほうがいい

 

永年使用での改名なので、通称名を長い期間使う必要があるのですが、通称名の使用期間は長ければ長いほどいいです。

 

通称名を使っている期間が長いと、それだけ通称名の通用度合いが根深くなり、改名が許可されるための十分な証拠(使用実績)も用意できます。

 

同じ永年使用を理由に改名でも、年齢により通称名の使用期間が変わり、大人よりも子供の方が短い期間で許可される傾向です。

 

許可される永年の期間の目安
  • 一般平均で最低5年〜10年
  • 子供は1年〜3年程度

 

2.通称名を使用する範囲を広くする

 

永年使用での改名は、通称名を永年使用したという証拠が必須です。

 

永年使用の証拠は「通称名の使用実績」を指し、既に改名についてリサーチ済みの方は改名の証拠としてご存じの方もいるでしょう。

 

通称名の使用実績とは、通称名を使って生活しているという実績がわかる資料を用意します。

 

裁判所によって何を証拠として認めるのか判断が異なるので、なるべく広い範囲でいろんな実績を作り改名が必要な証拠として準備するのがいいです。

 

永年使用以外の理由での改名でも役立つ証拠なので、私は永年使用とは別の理由で申立てましたが、通称名の使用実績を証拠として提出しました。

 

3.徹底的に通称名を使用した証拠(実績)を作る

 

通称名の証拠作りで重要なのが「通称名を広い範囲で徹底的に使うこと」です。

 

通称名を永年使用したことだけでなく「名前の変更に伴う社会的な影響の度合い」ということも、裁判所が改名を許可するのかを判断する要素です。

 

わかりやすい例だと、芸能人や作家などは通称名が本名のように通用していますよね。

 

なので、戸籍の名前を普段から芸名やペンネームとして使用している通称名に変えたところで社会的に影響があまり出ません。

 

通称名の通用度合いや改名による社会的な影響を見ると、永年使用を理由にした改名は芸能人や作家などは有利な改名の理由になると言えますね。

 

永年使用で改名が許可されるためには、「戸籍の名前よりも通称名が社会に根深く浸透していて今さら本名を名乗っても通用しない」「戸籍の名前では社会的に本人確認ができない」このような状況が必要です。

 

永年使用での改名は他の理由よりもはるかに通称名の使用実績(証拠)が厳しくチェックされます。

 

実際に「永年使用で却下された」という問い合わせもあるのですが、改名が却下される理由は「証拠の不足」がほとんどでした。

 

広く深く通称名が浸透していることを証明するために、「本名が登録されているものがなくなるくらい徹底的に通称名を使うこと」が重要です。

 

4.改名する理由も重要

 

永年使用で改名する場合は理由が重要視されない傾向ですが、改名に至る動機を全く考慮しないということはありません。

 

永年使用で申立てても改名の動機が不十分=改名の正当な事由に当たらないと判断され、却下されている判例が沢山あります。

 

いくら改名が許可されやすいとしても、単に通称名を永年使用しただけで許可されるようなものではないのです。

 

永年使用でを理由にした改名はあくまでも「通称名を長い期間使用することで、社会生活する上で戸籍の名前を使用すると支障が出てしまう」ことが重要なので、改名に至る動機や改名が必要な理由というのも審議されます。

 

もしあなたの改名理したい由が正当な事由からかけ離れている場合は、永年使用で改名する際に正当な理由に近づけて慎重に申立てましょう。

 

 

改名の証拠「通称名の使用実績」の作り方

 

通称名の使用実績は、永年使用を理由にした改名で重要な証拠です。

 

永年使用以外の改名の理由だと、証拠がなくても許可されることがありますが、永年使用は通称名の使用実績の証拠がなければなりません。

 

改名で重要な証拠「通称名の使用実績」はどのように作ればいいのでしょう。

 

一般的な改名の通称名の使用実績となる証拠

 

永年使用の改名の証拠となるもの
  • ネット通販の伝票
  • ポイントカード
  • 手紙などの郵便物
  • 給料明細
  • 名刺
  • 趣味などの会員証
  • 成績表や卒業証書(卒園証書)
  • 社員証(勤務証明書)・学生証
  • 挨拶状(暑中見舞い・礼状・同窓会などの案内状)
  • 定期券
  • など

 

まだまだありますが、上記が一般的に永年使用での改名の証拠となる通称名の使用実績です。

 

通称名が使用できる範囲は、本人確認が不要な場面に限られますが、できる範囲で使用しましょう。

 

永年使用での改名は長期間の通称名の使用実績を証拠とするので、永年分の証拠を全て提出するとなると分厚い辞書のように膨大な量になります。

 

通称名の使用実績は普段から通称名を使用していることがわかればいいので、年度別に用意するなどわかりやすく資料を揃えておくといいでしょう。

 

裁判所へ与える印象もよくなります。

 

通称名の使用実績はたとえ通称名を長期的に通称名を使っていても、家庭裁判所に提出する証拠書類が少なすぎると、

 

「本当に普段から使っているの?」
「社会生活の広い範囲で通称名が認知されていない(通用しない)」

 

と思われてしまうので注意しましょう。

 

 

証拠の価値が高い有利な通称名の使用実績

 

とくに永年使用の改名の証拠で有効と考えられるのは、公共機関や公的書類といった通称名の使用実績です。

 

ネット通販のように簡単にどんな名前でも登録できてしまうものより、はるかに信憑性が高く、偽造や変造ができないので圧倒的な証拠価値があると言えます。

 

ただ、本人確認が必要とされるのでそういった場面で通称名の使用が許可されることはほぼないのですが、学校や職場だとまだ通称名が使える可能性があります。

 

私は職場で通称名の使用を断られた経験がありますが、一般的な通称名の使用実績の中だと、給料明細や職場で使用している書類は公的な証拠となるので交渉してみましょう。

 

子供(学生)だと、卒業証書を証拠にする場合は注意点もありますが、学校で使用している名簿や書類なども証拠となりますね。

 

卒業証書などの証拠の作り方や注意点はこちら
>>改名の証拠となる書類とは?裁判所で有利な資料の作り方

 

また、通称名の使用実績は年月日がわかるものを集めましょう。

 

家庭裁判所は、たとえ5年前から通称名を使っていたとしても、証拠(使用実績)がある時期からしか通称名を使い始めたとは判断してくれません。

 

名刺のように日付がわからない証拠がまったく無意味になるとは限りませんが、使用実績は年月日がわかることが重要です。

 

永年使用で通称名に改名する注意点

 

永年使用を理由にした改名の注意点
  • 永年の期間があいまい
  • 永年使用の改名はかなり長期化する
  • 本名と通称名の使い分けが面倒

 

永年使用での改名で厄介なのが、永年という期間に明確な定義はなく、各家庭裁判所の判断に委ねられていることです。

 

前述したように一般的な目安の期間は最低5年以上ですが、10年以上の通称名の使用期間があっても許可されないこともザラにあります。

 

通称名に改名しないと不便が出たり通称名の使用上のリスクもあるので、改名するなら早い方がいいですが、永年使用での改名はどうしても年単位で時間がかかります。

 

永年使用は他の改名理由と比べて最も時間がかかります。

 

もし、あなたが一刻も早く改名したいなら、永年使用は絶対に止めましょう。

 

永年使用で改名するために通称名の使用を始める方もいると思いますが、正直、戸籍の名前と通称名の使い分けはかなり面倒です。

 

通称名を使用できる範囲が限られてしまうだけでなく、通称名を社会的に使用することでリスク(トラブル)もあります。

 

何年かかってもいいから改名したい!という強い意志がない限り、改名せずに戸籍の名前と通称名を上手く使い分けて生活する方がいいかもしれません。

 

通称名への改名と永年使用の証拠のまとめ

 

戸籍の名前を通称名へ改名するためには、永年使用という理由で改名を申立てることになります。

 

かなり長い期間が必要ですが、永年使用は誰でも改名できる許可の条件となります。

 

ただ、永年使用は他の改名する理由より認められやすいだけで、その基準を満たすためのハードルの高さや、許可されるかどうかの"運的な要素"は他の理由と同じです。

 

永年使用の根拠となる証拠「通称名の使用実績」を作るのが大変ですが、公的な証拠以外のどんな証拠も無意味になるわけでないので、可能な範囲で通称名を徹底的に使用し、多くの証拠を作りましょう。

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