苗字(氏)の変更は可能!必要な書類や手続きをわかりやすく解説

世の中にはさまざまな苗字(氏)があります。

 

佐藤や鈴木などの一般的な苗字から、四月一日(わたぬき)や苫米地(とまべち)などの、一見すると読めないようなものまで幅広いですよね。

 

ご先祖様の影響ゆえに、生まれたときから不思議な苗字を背負っている人からすれば、もしかしたら苗字が原因でイヤな思いをしたことがあるかもしれません。

 

苦い思い出を持っている人も少なくないでしょう。

 

そうなるとあたまに浮かぶのは苗字の変更ですよね。

 

しかし、改名とは違い、苗字(氏)の変更はそれほど簡単な話ではありません。

 

ここでは苗字(氏)変更のための条件や、必要な書類、手続きについてお伝えしていきます。

苗字(氏)は簡単には変更できない

結論ですが、苗字(氏)を変更するのは容易なことではありません。

 

気軽に行えることではなく、はっきり言うと、特定の条件がそろわない限り不可能だと思っていて良いでしょう。

 

名前を変える改名よりも難易度は高いです。

 

苗字変更が可能なケース

苗字の変更と言えば、最も身近なのは、結婚や離婚などの戸籍上の変更にともなう強制的なケースではないでしょうか。

 

結婚することで相手の戸籍に入ることになるため、相手の苗字に変わるのは周知の事実だと思います。

 

もちろん、逆のパターンである離婚で相手の戸籍から抜ける場合にも、苗字は元に戻ります。
(任意)

 

そのほかにも、養子縁組や離縁などで強制的に苗字が変更になることを、法律上「氏の変動」と言います。

 

氏(うじ)とは、法律上の苗字を指す言葉です。

 

このように、強制的に苗字が変更できるケースであれば、とくに苦労もなく変更できますが、自分の意思で苗字を変更する場合は、難易度がまったく変わってくるので注意が必要です。

 

自主的な苗字変更に必要な7つの条件

自分都合で苗字を変更する場合、以下の7つの条件に該当しない限り変更は認められません。

 

  • 民法791条1項
  • 子が父または母と氏を異にする場合には、子は自分自身で家庭裁判所の許可を得て、父または母の氏を称することができる

  • 民法751条1項
  • 夫婦のいずれか一方が死亡した場合、生存配偶者が自らの意思によって婚姻前の氏に戻すことができる

  • 民法767条2項
  • 離婚による復氏(苗字を以前に戻すこと)から婚姻中の氏に変更することができる

  • 民法816条2項
  • 離縁による復氏から養子縁組中の氏に変更することができる

  • 戸籍法107条2項
  • 外国人と婚姻した人が配偶者の氏に変更する場合、婚姻から6か月以内であれば家庭裁判所の許可を得ずに届で変更できる

  • 戸籍法107条3項
  • 外国人と婚姻し配偶者の氏に変更した人が離婚・婚姻取り消し・配偶者の死亡のいずれかののち、3か月以内であれば家庭裁判所の許可を届け出、変更の際に称していた氏に変更することができる

  • 戸籍法107条1項
  • “やむを得ない事由”によって氏を変更したい場合、戸籍の筆頭者およびその配偶者が家庭裁判所の許可を得て届け出をすることで氏の変更ができる

 

上記の1〜6つめまでは、文章の流れでなんとなく理解できると思います。

 

特定の条件化では、特例で苗字を変更してもよいですよという内容ですが、気になるのは最後の“やむを得ない事由”の部分です。

 

“やむを得ない事由”とは?

改名の場合は正当な事由ですが、氏の場合はやむを得ない事由が必要で、一般的に名の変更よりも姓の変更は難しいとされています。

 

  • 正当な事由とは?
  • 真っ当な理由があれば許可される

  • やむを得ない事由とは?
  • 原則、認められないが変更せざるを得ない状況と判断された場合を指す

 

やむを得ない事由とは、たとえば、離婚や養子縁組以外に、内縁関係が長く続いており、相手の苗字を長年使用していた場合や、元犯罪者が社会復帰する際などが当てはまるようです。

 

珍奇や難読などの理由でも認められるようですが、一筋縄ではいかないのが現状です。

 

普通に生活するうえで、苗字が問題でなにかしらのトラブルに発展する可能性が高いなどのリスクがない限りは、法律上認められることはないのです。

 

苗字変更の注意点

仮に条件が合致して苗字が変更できたとしても、ひとつだけ注意しなければならないことがあります。

 

それは、家族全員の苗字が変わってしまうことです。

 

法律上、同一の戸籍に入るには同一の苗字でなければならないため、ひとりだけを変更するということはできません。

 

つまり、息子が苗字のせいでいじめたらとなれば、父親も母親も苗字を変えなければならないのです。

 

これをメリット・デメリットと感じるかどうかは家庭や状況で変わってくると思いますが、苗字を変更することで家族のだれかが救われるなら、同意してあげるのが家族だと個人的には思います。

 

苗字変更に必要な書類と手続きの流れ

苗字が変更できる条件がそろっていた場合、いよいよ変更手続きを踏むことになります。

 

一つずづつ流れを見ていきましょう。

 

苗字変更に必要な書類

苗字の変更に必要な書類は以下の通りです。

 

  • 苗字の変更許可申立書
  • 苗字の変更理由が記載された資料
  • 本人の戸籍謄本
  • 同一戸籍内にある15歳以上の日からの同意書
  • 収入印紙800円分
  • 連絡用郵便切手

 

変更許可申立書は、ネットからダウンロードしたり、家庭裁判所で配布されているので、必要事項を記入するだけでOKです。

 

変更許可申立書内に苗字の変更理由を記入する欄があるので、ここに詳細に書いておけば2番目の資料は不要になる場合もあります。

 

苗字変更手続きの流れ

書類がそろったら、いよいよ苗字の変更手続きを行います。

 

  • @上記の必要書類をもって管轄の家庭裁判所に提出する
  • A苗字変更の理由裁判官に説明して、変更許可をもらう
  • B家庭裁判所から「審判書謄本」と「確定証明書」を発行してもらう
  • Cもらった上記の書類を持って役場で変更手続きを行う
  • D苗字の変更完了

 

少々めんどうではありますが、流れとしてはそれほど複雑なことはなく、指示に身を任せておけば問題なく終わるはずです。

 

さいごに

苗字の変更方法ついてお伝えしてきましたが、よほどのことがない限り自主的に苗字を変更するのは難しいです。

 

結婚・離婚などで強制的に変わる場合を除いて、気軽に変更できることはないと考えておいた方が無難かもしれません。

 

それでも、どうしても苗字を変えたい、変えなければならないのであれば、きちんと変更するべき理由を考えてみてください。

 

過酷な状況にあるのであれば、望みが叶うかもしれません。

 

まずはあきらめずに、客観的に自分の置かれている環境を見つめなおしてみましょう。

 

それこそが苗字を変えるための第一歩になるのですから。

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