改名の却下や取り下げは致命的!?その理由と対策

改名の却下対策

改名は申し立ての段階で受付拒否されたり、面談を行ったものの取り下げたり却下されることは珍しくありません。

 

珍しくないとはいえ、一度却下されると次の申し立てが不利になってしまうリスクがあります。

 

なぜ取り下げや却下されるのか、その違いや理由、対処法などをお伝えします。

改名却下後の再申し立てが不利になる理由

なぜ、改名却下後の2回目の申し立てが不利になったり、時間がかかるのか。

 

大きな理由は「裁判記録が保管されること」です。

 

とくに却下は取り下げとは違って正式な審判なので細かな記録が保管されます。

 

裁判記録の影響

過去に却下されている場合、2回目以降の申し立ては少し注意が必要です。

 

というのも、裁判記録が最低でも5年間残ってしまうという厄介なシステムがあるからです。

 

なので、過去に却下された改名理由で再度申し立てをしても認められない可能性があります。

 

過去に却下されているからといって必ずしも致命的になるとは言い切れないですが、過去の申し立て記録が加味されるので、大きな影響があることは覚えておいた方がいいでしょう。

 

裁判記録の保管期間が不明

裁判記録は義務付けられているのが「5年間」であって、A家庭裁判所では5年間、B家庭裁判所では10年間とバラバラです。

 

過去の申し立てをなかったことにして(裁判記録の破棄)、再度、申し立てを行う場合は最低でも5年間は待つことになります。

 

また、各家庭裁判所の保管期間がわからないので、人によって下手すれば10年間もの長い時間がかかってしまう可能性があります。

 

保管期間に関係なく、裁判記録が残ってしまうのは不利になると言えますね。

 

改名は取り下げを念頭に入れておく

前述したように改名は一度却下されると、再申し立てがかなり難しくなります。

 

時間や手間がかかるだけでなく不利になるので、1度目の申し立てで却下されないことが最も重要なのです。

 

却下という万が一の事態に備えて、取り下げることを念頭に入れて申し立てましょう。

 

取り下げになる理由とメリット

家庭裁判所側の手続きが少なく済む

取り下げは判決ではないので、審判書謄本を作成する必要がありません。

 

家庭裁判所の労力を減らすことができるため、認められないであろう申し立ては「取り下げ」を申立人に促すことがあります。

 

申し立て理由の変更

改名すること自体をやめたり、改名する名前をAからBに変更したいなどの事情で、取り下げることがあります。

 

却下の審判を受けなくて済む

却下も取り下げも結果的には改名ができない(不許可)ということですが、意味がまったく違います。

 

  • 却下
  • 正式な審判結果

  • 取り下げ
  • 自ら申し立てを取り下げる(取り消し)

 

却下は正式な審判結果なので、申し立ての記録が家庭裁判所に全て残ってしまうことが一番ネックです。

 

しかし、取り下げならタイミングによっては記録が残らないというメリットがあります。

 

なので、一度取り下げになったからといって、そこまで落ち込む必要はありません。

 

改名が取り下げや却下された後の対処法

1.改名理由(申し立ての実情)を変える

取り下げの場合は却下されたわけではないので、再度同じ理由で申し立てる価値はありますが、基本的に却下された改名理由で再度申し立てても認められにくいのでやめたほうがいいでしょう。

 

初回の申し立てが、姓名判断のようにほぼ認められない改名理由ならなおさらです。

 

改名理由に自信がない人もいると思いますが、そんな時は、過去に申し立てが却下されていても「永年使用」なら、初回の申し立てがどんな改名理由でもあまり違和感なく申し立てができます。

 

実際に姓名判断が改名したい本当の理由でも、別の改名理由(永年使用)で許可されている判例があります。

 

許可の判例
  • 姓名判断により20年にわたり通名「歳霽」を使用
  • 通名の使用に至った動機が姓名判断であり、「霽」という文字が常用平易な文字でないとしても正当な事由になる
    (通称名の使用実績が考慮された)
    長崎家裁佐世保支部昭37.11.6

  • 姓名判断により通名を20年使用
  • 本名は通用しない、通名で社会的地位を築き上げた
    仙台高裁/昭和32.12.27

同じ改名理由で不許可の判例
  • 一度却下され、その審判確定時に近接し、再び、名の変更許可の申し立てをした(申し立て理由の変更なし)
  • 申し立て自体が濫用であり失当である
    東京家裁/昭和41.2.23

 

2.改名理由(申し立ての実情)は変えない

改名が1度却下されても申し立て自体は何度でも可能です。

 

しかし、過去の申し立て記録が残っているということを忘れてはなりません。

 

2回目の申し立ては、必ずしも改名理由を変える必要はないです。

 

これは改名理由によりますが、仮に1度目が「永年使用」なら、2度目の再申し立ても「永年使用」で問題ありません。

 

ですが、1度目の改名が「同姓同名」で2度目が「難読」だったら不自然ですよね。

 

申し立て記録が残っているので、あからさまに改名理由を変えてしまうと説得力がなく、警戒されたり、印象が悪くなってしまいます。

 

>>改名は何回まで?2回目以降は要注意

 

3.期間を空ける

却下される理由で多いのは証拠不足(使用実績などの提出書類の不足)なので、次の申し立ては、数ヵ月、数年間の期間を空けましょう。

 

永年使用での申し立てなら期間を空けることで、その分だけ通称名の使用期間と証拠を増やせるからです。

 

期間を空けずに申し立てすることもできますが、より証拠作りが充実するので、基本的には一度目の申し立てから次の申し立てまで数カ月は期間を空けたほうがいいでしょう。

 

やはり、現段階(一度目の申し立て)の提出書類(使用実績)で却下されているので、通称名の使用期間を伸ばす必要があります。

 

数ヵ月から数年の期間を空けて、今よりも広く通称名を使って社会的に浸透させ、証拠を増やしてから再度申し立てましょう。

 

>>最短期間で改名するための重要なポイント

 

4.有力な証拠作りをする

取り下げは却下される可能性が高いと判断された場合なので、提出書類(証拠資料)の不備や不足を補強して、さらに時間をかけて準備が必要になります。

 

却下も同様で、使用実績の不足(証拠不足)を指摘されることはよくあります。

 

実際に却下された方で「証拠が少ない」「使用期間が短かった」という相談は多いです

 

そうなると、単純に次の申し立てまで期間を空けて、その間の証拠を増やすだけでは不十分です。

 

今よりも証拠能力が高いものを増やして、根本的な証拠集めの強化が必須です。

 

特に「永年使用」を理由にする場合は証拠作りが重要!

 

また、永年使用だけでなく、どんな理由にしろ過去に一度却下されている場合は、信憑性の高い有力な証拠作りが効果的なので証拠類を補強しましょう。

 

5.理由の書き方を見直す

却下や取り下げになった際の再申し立ては、別の改名理由や事情の変化、有力な証拠が用意できるかが重要です。

 

そのうえで、申立書にある改名理由の書き方も大切です。

 

そもそも、改名理由として認められないものは却下されてしまいます。

 

家庭裁判所は慣行もありますが、過去の判例をもとに許可・不許可の判断をします。

 

あなたの改名理由が、過去の判例で不許可になった改名理由と同じ場合は、当然却下されてしまいます。

 

却下される代表的な改名理由は、名前の画数が悪いなどの姓名判断ですが、改名できる可能性はゼロではありません。

 

過去の判例を紹介しながら許可基準を解説しています。
>>改名基準「正当な事由」とは?認められた例で徹底解説

 

改名理由には、あなたが改名に至った経緯や戸籍名による日常生活での支障を書きますが、審議官や裁判官に伝わるように説得力のある書き方が必要です。

 

もし、あなたが思うがままに改名が必要な理由を淡々と書いてしまっていたなら、とても勿体ないので見直しましょう。

 

改名理由の書き方の注意点などは「【改名理由の例文】一発で受理される書き方とは?」を参考にしてくださいね。

 

6.家庭裁判所を変更する

これは対処法になるのか不明ですが、家庭裁判所を変更する方法もあります。

 

同じ改名理由でもA裁判所では許可、B裁判所では不許可となることがあります。

 

そのため、「申し立てる家庭裁判所を変更すれば許可されるのでは?」と考える方もいるくらいです。

 

確かにその考えは一理ありますが、裁判記録はデータベースで一元管理されるため、家庭裁判所を変えたとしてもデータを照会して開示されるそうです。

 

たとえ、担当の審議官や裁判官(家庭裁判所)が変わったとしても、判決に大きな期待はできない部分もあります。

 

改名の申し立ては、現住所(住民票)を管轄する家庭裁判所で行います。

 

そのため、別の家庭裁判所を利用したい場合は、管轄外の地域や隣県に引っ越せば可能です。

 

もし、別の家庭裁判所や他府県の家庭裁判所を利用したい場合は、引っ越しなどで住所変更(住民登録変更)しないとできません。 

 

ただし、家庭裁判所は各都道府県に数箇所しかなく、近隣への引っ越しでは管轄裁判所が変わらないことがあるので注意してくださいね。

 

7.即時抗告を検討する

家庭裁判所の審判に不服がある場合は、高等裁判所に審議してもらうことができます。

 

この不服申し立てを即時抗告といいます。

 

即時抗告をして、高等裁判所が許可すれば改名が可能です。

 

不服申し立てすると、不許可とした家庭裁判所がまず審査し、間違いがあれば結果を変えることになります。

 

間違いがなければ、高等裁判所に手続きが移され、再審査されるという流れです。

 

家庭裁判所から通知を受けた日から2週間以内であれば即時抗告することができます。

 

ただ、一度、家庭裁判所で「却下・取り下げ」となった以上、即時抗告するなら新たな証拠資料を補充するべきです。

 

どのように申し立てたのかにもよりますが、それが十分でないと即時抗告をしても同じ「不許可」となる可能性が高いです。

 

2週間しかないですが、十分な資料が用意できるなら即時抗告を検討しましょう。

 

必要な書類や費用
  • 抗告状
  • 即時抗告の理由を証する証拠書類
  • 収入印紙1200円
  • 連絡用郵便切手数百円から1500円程度

    (申し立てる家庭裁判所により異なる)


  • >>詳細はこちら

 

何度も「取り下げ→申し立て」を行うのは絶対にダメ!

まず、前提として、何度も取り下げを行うことはNGです。

 

これは2回目以降の再申し立ても同様で、何度も申し立てを行うのは控えましょう。

 

却下の判例
  • 再度名の変更を申し立てた

    (事情の変更はない)

  • 改名の申立却下の審判が確定した時期に近接し、または即時抗告期間中でいまだ申立却下の審判が確定しない間に、あるいはいまだ許可、却下いずれの審判もなされない間に、前の申立におけると同一の事由で、その事由を立証するに足りる新たな証拠資料を補充することもなく、再度同一の申立をなすことはいずれも申立権の濫用として許されない。
    東京家庭裁判所/昭和41.2.23

 

「もし、許可されなそうだったら取り下げればいいだけでしょ」「とりあえず取り下げをしておけばなんとかなる」なんて甘い考えは捨ててくださいね。

 

取り下げは却下されるよりは傷は浅いですが、結局、取り下げたという記録は残るので、次の申し立てに全く影響がないとは言えません。

 

また、何度も取り下げと申し立てを繰り返すとあなたに対する心証が悪くなって不利な状況を招くだけです。

 

何よりも時間の無駄なので、絶対にやめてください。

 

却下は絶対に避けたいのでどうしても慎重にならざるを得ないですが、却下を恐れて何年間も申し立てに踏み出せずにいると、時間を無駄にしてしまうことさえあります。

 

それに完璧に改名申し立ての準備することは困難です。

 

許可するか否かは裁判官(審議官)の裁量に任されるので、どんなに立派な改名理由と10年の長期的な使用実績があったとしても、却下されるときは却下されます。

 

逆に、わずか1か月足らずで許可されることもあるでしょう。

 

却下されるリスクもありますが、許可される可能性も少なからずあるのです。

 

とくに早く改名したい人は、ある程度、準備ができたら一度申し立ててみましょう。

 

あなたの改名理由が許可されにくいと感じるなら、依頼することも検討してみましょう。

 

依頼方法はこちら
>>改名は依頼できる?方法は3つある!

 

2回目以降の効果的な申し立て方法はこちら
>>今しかできない!自分で簡単に改名する方法

 

さいごに

元の改名理由(1回目)が認められないのであれば、2回目の改名理由は変えるべきでしょうし、永年使用のように許可される可能性があるなら2回目も同じ理由で申し立てるといいでしょう。

 

ただし、判例を見てもわかる通り、永年使用はかなり時間がかかるので覚悟しましょう。
(永年=長期的な通称名の使用実績が必須)

 

改名は取り下げよりも却下されないことが何よりも重要!

 

却下されると次の申し立てに時間がかかったり困難になるので、一発で許可されるように入念な準備と対策を行いましょう。

 

また、申し立てが却下(不受理)されることは別に珍しいことではありません。

 

たとえそうなっても根気強く申し立てを行うことが大切です。

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